子育て世代が感じる「親の認知症介護の不安」はどんなこと?

子育て世代が感じる「親の認知症介護の不安」はどんなこと?

100年人生レシピが子育て世代を対象に実施した「認知症に関する意識調査」では、ママたちがもつ「認知症のイメージ」や「認知症介護への意識」に関するリアルな声を聞くことができました。
この子育て世代の「リアル」を更に深ぼりすべく、今回は「もしも、家族や自分が認知症になったら?」をテーマに座談会を実施。5人のママたちに、認知症をどうとらえ、何を不安に思っているのかについて聞いてみました。

参加者プロフィール

10歳以下のお子さんをもつ子育て中の5人の女性に座談会にご参加いただきました。
Kさん(38歳)お子さんの年齢(5歳、1歳)
Mさん(34歳)お子さんの年齢(9歳、7歳、1歳)
Eさん(31歳)お子さんの年齢(3歳)
Sさん(42歳)お子さんの年齢(5歳、1歳)
Fさん(42歳)お子さんの年齢(6歳、3歳)

まわりと気軽に話す機会がない「認知症介護」

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ーー本日はよろしくお願いします。まずは座談会に参加しようと思ったきっかけを教えてください。
Kさん:実父の知人が長年にわたって認知症で、その方の様子をずっと見ていていろいろと思うところがありました。認知症については、ずっと他人ごと、遠い世界の話のような気がしていましたが、そろそろ自分の親世代にとって、現実的なものになってきたのかなと思っています。同じ立場であるママたちがどのように対策しているのか、どんな思いでいらっしゃるか気になって参加しました。
Mさん:私が高校生のときに祖母が認知症になり、母が数年間、大変な思いをして介護していた印象がとても強く残っています。親も年齢を重ねてきて、認知症になったらどうしたらいいのかな…とちょうど考え始めていたところだったので、ぜひ皆さんの考え方やご意見を聞きたいと思いました。
Fさん:私が夫と結婚したのと同じ時期に、夫の祖母が認知症になったのですが、あまり接する機会がもてないまま亡くなってしまいました。認知症の身内がいたにも関わらず、きちんと知ることができないままだったなぁ、というモヤモヤした思いが残っています。
70歳を超えた実母の認知症のことも気になっているものの、友人とはもちろん、認知症介護をしていた義理の両親ともそのような話にはならず…。今回は皆さんとお話できるいい機会なのかなと思って参加しました。
ーーありがとうございます。皆さん、身近に認知症の方がいらっしゃったということで、なんとなく知ってはいるものの、具体的なところはあまり…といったご状況でしょうか。お二人はいかがですか?
Sさん:認知症の方がまわりにいた経験はないのですが、親がちょっとした物忘れをする姿を見たときなど、認知症かな?と疑うケースが出てきました。
病院に行った方がいいのか?本人にどのように伝えるべきか?などがわからず、そこから調べることもせず…という状況で、漠然とした不安だけを持っているのが現状です。今日は、皆さんがどのような考えを持っているか伺いたいなと思って参加しました。
Eさん:私もSさんと同様に、身近に認知症の方がいた経験はないのですが、実家に帰ったときに母が物忘れする姿を見ると心配になります。認知症や介護について、今まで友人と話す機会はなかったので、皆さんのご意見を伺って勉強したいと思い参加しました。
ーーお二人とも、ありがとうございます。ご友人との間で認知症の話題が出ない、というお話が、とてもリアルだなと感じました。どこかで気になりつつも、なかなか日常生活では話をするきっかけがないのかなと思います。今日は、皆さんにとってもいい機会になればいいなと思っています。

親の認知症に対して不安に感じつつ「準備はできていない」

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ーーご家族の認知症について準備をしている、という方はまだいらっしゃらないようですが、準備や情報収集をしていない理由について教えていただけますか?
Fさん:親の年齢的に準備した方がいいと思いつつも、どこか安心してしまっているところがあります。親に対して「忘れっぽい」と感じても、加齢かな?と…。きっかけになるところがないという状況です。
Kさん:実の父母に対して、もし認知症になったときにどうして欲しいのか?どのようなサービスを求めているのか?がとても聞きづらいと感じています。例えば私に介護をして欲しいのか、行政や民間サービスに任せていいのか、という点がはっきりすれば、必要なことについて具体的に調べることができそうなのですが、その山を乗り越えられず、行動が滞ってしまっている気がしています。
ーー皆さん、子育て中で日々お忙しくされているかと思います。「認知症かな?」という決定的な出来事や、両親と実際に話をしたりといった、何らかの「きっかけ」がないと、なかなか準備には着手しにくいのかもしれませんね。

子育て世代に必要な情報は「正しい知識」と「当事者の気持ち」

ーー事前にお読みいただいた100年人生レシピの記事で、印象に残っているものはありますか?
Kさん:「認知症は予防できる?」が印象に残りました。私自身が大病をわずらったときに、病気は予防が大切だと身にしみて感じたからです。
認知症を予防できる、というイメージがありませんでしたし、更に身近な食品やサプリメントから栄養を摂ることで予防できるのだということに驚きました。このことがもっと認知されて、「予防する」という考えが広がればいいなと思いました。
ーーそうですね。食事などで認知症を予防できるということが、もっと周知されるといいなと思います。ほかの方はいかがでしょうか?
Sさん:私は、「認知症の検査って?~診断に備えて家族が知っておくべきこと ~」が印象的でした。特に「認知症の検査に無理やり連れて行かないように注意」という部分を読んで、「やっぱりそうか」と。今後、実際に必要になったときに、記事の内容を取り入れたいと感じました。
Eさん:私も、Sさんと同じ記事が心に残りました。認知症を疑ったときに、病院のどの科を受診すべきか?どんな検査があるのか?といった知識がぜんぜんなくて…。最初の窓口は、もっと狭いものだと思っていたんです。しかし、記事を読んで、思ったよりも受診できる科が多く、検査の種類もたくさんあることがわかりました。
ーー実際にどの科を受診すればいいのか、どんな検査があるのかといった具体的な知識がまとまっていると、実際に困った場面で役に立ちますよね。
Mさん:私は、認知症の当事者である藤田さんの記事が印象に残りました。認知症になることは自分にとってショッキングな出来事で、もし私なら前向きに生きていく自信がなくなってしまいそうだなと思うのですが、藤田さんが前向きに活動されていらっしゃることにびっくりしました。
また、同じ記事に書いてあった「早期発見には、周囲の信頼できる関係性や、違和感を感じたときに受診しやすい環境が鍵になる」という内容も印象的でした。
Fさん:私も同じく、藤田さんの記事が印象に残っています。自己紹介でもお話しましたが、認知症になった身内に数回しか会わせてもらえなかったという経験がありまして…。藤田さんのようにご本人がオープンで、まわりもそれを受け入れる体制があれば、祖母にももっと会ったり、子どもを抱いたりしてもらえたのかな、と思いました。
記事内に「認知症になっても、その人本人であることに変わりはない」とあったように、認知症の症状ではなく、その人自身を見て、受け入れることが大切なのでは?と感じました。
ーーありがとうございました。認知症についての知識や、実際に認知症になった本人の気持ち、本人への向き合い方といったところが、皆さんの印象に残ったようですね。続いて、この座談会や100年人生レシピの記事を読んで、皆さんの認知症についての意識がどう変わったかをお聞かせいただければと思います。(後編へ続く)
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AnyMaMa(エニママ)さん

AnyMaMa(エニママ)さん

文=笹川かおり(under→stand Inc.)

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