転移性肝がんについて

転移性肝がんについて

肝がん【肝臓に発生するがん】には、原発性肝がん【肝臓の細胞が悪性腫瘍(がん)化して生じるがん】と転移性肝がん【他部位・他臓器で発生したがん細胞が肝臓に転移し発生するがん】があり、転移性肝がんは原発性肝がんよりも発症数が多いと言われています。この記事では、転移性肝がんについて解説します。

転移性肝がんの原発巣について

原発巣とは、最初に腫瘍・がんが発生した部位・臓器のことです。転移性肝がんは、他部位・他臓器に発生したがん細胞が、血液・リンパ液に乗り肝臓にたどり着くことで転移します。どの部位・臓器に発生したがんも転移性肝がんになる可能性がありますが、一般的には、消化器【胃・大腸・膵臓(すいぞう)等】に発生したがん・肺がん・頭頚部(とうけいぶ)【頭部・頚部・口内等】に発生したがん・婦人科に関わるがん【子宮がん・卵巣がん等】・乳がん・肺がん・腎がんを原発巣とした転移が多く見られると言われています。

なお、消化器に発生したがん細胞は、門脈(もんみゃく)【肝臓の中心部にあり、胃・小腸・大腸・膵臓・脾臓等からの血液を肝臓に送る血管】を通り肝臓にたどり着きます。大腸がんは肝臓に転移しやすいと言われており、「大腸がんが発見された際にはすでに肝臓に転移していた」という方もいらっしゃいます。

転移性肝がんの治療方法

転移性肝がんの病巣が切除可能と判断された場合には、病巣の状態・原発巣の状態・肝臓以外の臓器への転移の有無等、複数の視点で手術の可能性が検討されます。なお、手術の可能性については、がんの大きさ・数・切除後に正常な組織を残すことができるか等についても関係してきます。

治療開始時に手術が難しい状態であると判断された場合でも、薬物療法(化学療法)を用いてがんが小さく変化するのを待ち、手術の可能性を探る場合があります。また、肝臓は再生能力が高いため、1回の手術でがんを全て取り除けない場合でも、薬物療法を継続しながら再手術を検討する治療方法が選択される可能性もあります。このように、転移性肝がんの治療では、手術療法・薬物療法単独での治療だけではなく、症状・状態等を考慮し、複数の方法を組み合わせた治療方法が検討される場合があります。


転移性肝がんは、ある程度進行するまで症状が現れない傾向にあり、上記でご紹介したように、様々な点を考慮した上で治療方法が検討されます。治療方法に納得ができない・他の治療方法を検討したい等がある際は、他の医療機関でセカンドオピニオンを受けてみることをおすすめします。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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