腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について

腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について

腎臓に発生する腫瘍が良性であることは少なく、ほとんどが悪性腫瘍(がん)であると言われています。腎臓に発生するがんは種類により症状が異なり、発生しても症状が現れない可能性があります。この記事では、腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について解説します。

腎臓に発生するがんの種類

腎臓に発生するがんは、発生部位により腎細胞がんと腎盂(じんう)・尿管がんに分けられます。腎細胞がんは、腎実質(じんじっしつ)【腎臓の主な働きを担う部位】に発生するがんであり、腎盂・尿管がんは腎盂【腎実質に囲まれた部位に存在する尿が溜まる空洞】と尿管【腎臓と膀胱をつなぐ尿が流れる管状の器官】に発生するがんのことです。なお、腎盂と尿管は膀胱までを合わせて「ひとつの臓器」として考えられることが多く、腎盂がんと尿管がんでは治療方法があまり変わらないため、それぞれを区別することはあまりないと言われています。

●腎細胞がん
一般的に、腎がんは腎細胞がんのことを指し、40歳から50歳に多く見られ、女性より男性の発生率が高い傾向にあります。原因ははっきり分かっていませんが、喫煙・脂質の過剰摂取・化学物質(カドミウム等)・ホルモンと関係があると考えられています。また、血液透析を受けている方は、腎細胞がんの発生率が高い傾向にあると言われています。

●腎盂・尿管がん
腎盂は腎臓内に存在しますが、腎細胞がんとはがん細胞の種類が違うため区別されます。腎盂から尿管・膀胱・尿道の一部へとつながる尿路の内側は、尿路上皮という粘膜でできています。尿路上皮に発生するがんを尿路上皮がんといい、腎盂・尿管がんのほとんどは尿路上皮がんであり、尿路内の様々な場所に多発しやすいという特徴があります。

なお、腎盂・尿管がんを治療した後に膀胱がんが発生する可能性はありますが、膀胱がんを治療した後に腎盂・尿管がんが発生することはあまり多くないと言われています。これは、尿路が腎盂→尿管→膀胱という順で構成されていることが関係していると考えられています。

血尿が出る可能性がある腎臓のがん

腎臓に発生するがんのうち、血尿が出る可能性があるのは、主に腎盂・尿管がんと言われています。腎盂・尿管がんによる血尿は、尿に血が混じるという程度ではなく「尿全体が赤くなる」という特徴があり、血液で尿管が詰まる場合もあります。また、がんが周囲に広がった際には、腰・背中・脇腹にかけて尿管結石に似た強く断続的な痛みが生じる可能性があります。


初期の腎細胞がんでは自覚症状がほとんど現れず、進行すると背中や腰の痛み・腹部のしこり・足のむくみ・食欲不振・吐き気・腹痛等の症状が現れる可能性があり、重症化した際は腎細胞がんでも血尿が出る可能性があります。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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