今回ご紹介するのは、NPO法人認知症フレンドシップクラブ※1理事・株式会社DFCパートナーズ※2代表取締役・100BLG株式会社※3 CFOを務める徳田雄人さん。
認知症の方や地域住民の方がタスキを繋いでゴールを目指す「RUN伴(ランとも)」※4、認知症の方へ働く機会を提供する「BLG」等、認知症を取り巻く環境に着目した活動を行う徳田さんへ、その経緯とコミュニティの持つ可能性についてお話を伺いました。
認知症の方や地域住民の方がタスキを繋いでゴールを目指す「RUN伴(ランとも)」※4、認知症の方へ働く機会を提供する「BLG」等、認知症を取り巻く環境に着目した活動を行う徳田さんへ、その経緯とコミュニティの持つ可能性についてお話を伺いました。
活動までの経緯、そして誕生した「RUN伴」
活動以前、8年間NHKにて情報番組の制作ディレクターを務めていた徳田さん。当時認知症に関する取材を行った際、自身が感じたことと、世間のニーズにギャップを感じていたそうです。
「認知症の方の多くは、『周りからどう受け入れられるか』という部分に難しさを抱えているようでした。一方、世間の注目は最新の治療薬や名医。認知症の方を取り巻く環境面から、何かできることはないかと思ったことが、現在の活動を始めるキッカケでした。」
その後、徳田さんはNPO法人での活動をはじめ、誕生したのが「RUN伴(ランとも)」です。
RUN伴は、認知症の方やご家族、地域住民の方がタスキを繋ぐ、リレーイベント。タスキの繋ぎ方(走る・歩く・車いすを使用する等)や、距離は本人が決められるというユニークな運営です。どのような経緯でこのイベントの発案に至ったのでしょうか。
「認知症の方の多くは、『周りからどう受け入れられるか』という部分に難しさを抱えているようでした。一方、世間の注目は最新の治療薬や名医。認知症の方を取り巻く環境面から、何かできることはないかと思ったことが、現在の活動を始めるキッカケでした。」
その後、徳田さんはNPO法人での活動をはじめ、誕生したのが「RUN伴(ランとも)」です。
RUN伴は、認知症の方やご家族、地域住民の方がタスキを繋ぐ、リレーイベント。タスキの繋ぎ方(走る・歩く・車いすを使用する等)や、距離は本人が決められるというユニークな運営です。どのような経緯でこのイベントの発案に至ったのでしょうか。
「この企画の原点は、同じ地域に住む認知症の方の暮らしをイメージできている一般の方は多くないのでは?と着目したところから始まりました。
誰もが気軽に参加できるタスキリレーを通してなら、地域の方が認知症の方の暮らしを肌で感じることができるのではないか?知り合いになるきっかけが各地で生まれるのではないか?という想いの元、RUN伴のアイデアに至りました。」
誰もが気軽に参加できるタスキリレーを通してなら、地域の方が認知症の方の暮らしを肌で感じることができるのではないか?知り合いになるきっかけが各地で生まれるのではないか?という想いの元、RUN伴のアイデアに至りました。」
見えてきたそれぞれのニーズ
RUN伴は2011年に始まり、今では台湾での開催等、国内外へと規模も認知も広がっています。
運営のボランティアの中には、強い想いを持った地域の介護施設や医療現場の方も多いと言います。
「認知症の方に向けた活動の多くは、介護施設への慰問等、認知症の方へ何か『してあげる』という形にどうしてもなりやすい傾向があります。また、運営リスクは少ない一方で、賛同者も限られてしまうという側面も持っています。
RUN伴では、タスキリレーの中に認知症の方がいる(だけ)という運営の形をとることで認知症の方も支援をしたい方もハードル低く参加することができます。それにより、今まで接点のなかった方が、認知症の方と接したり、認知症に興味を持ったりするキッカケになることを目指しました。」
また、認知症の方のご家族にも喜ばれるケースも多いそうです。
運営のボランティアの中には、強い想いを持った地域の介護施設や医療現場の方も多いと言います。
「認知症の方に向けた活動の多くは、介護施設への慰問等、認知症の方へ何か『してあげる』という形にどうしてもなりやすい傾向があります。また、運営リスクは少ない一方で、賛同者も限られてしまうという側面も持っています。
RUN伴では、タスキリレーの中に認知症の方がいる(だけ)という運営の形をとることで認知症の方も支援をしたい方もハードル低く参加することができます。それにより、今まで接点のなかった方が、認知症の方と接したり、認知症に興味を持ったりするキッカケになることを目指しました。」
また、認知症の方のご家族にも喜ばれるケースも多いそうです。
「親族が認知症になった際、地域の方々へ直接お伝えすることに抵抗のある方は少なくありません。それが、タスキリレーに参加するというある種晴れのイベントを通すことで、自然と地域の方々に知ってもらう機会になっているようです。」
「RUN伴」を通じて繋がるコミュニティ
実際に、参加者同士がイベントを通じて知り合いになり、SNS等で繋がることも多いそうです。そこでできたコミュニティが認知症の方の手助けとなった・・・という、徳田さんも想定していなかったような副次効果的な事例も生まれています。
「RUN伴の開催もない期間に、ある地域で認知症の方が行方不明になってしまった、というトラブルが発生したのです。その際、SNSで繋がっていた参加者同士が有志で連絡を取り合い、なんと数百名単位で情報交換が行われた結果、行方不明の方が見つかった!ということがあったそうです」
『認知症の人だから探す』ではなく『知り合いの○○さんがいなくなったから探す』。
このように、知り合い関係になったからこそ、手を取り合えるコミュニティが生まれていく可能性をRUN伴は秘めています。
「RUN伴の開催もない期間に、ある地域で認知症の方が行方不明になってしまった、というトラブルが発生したのです。その際、SNSで繋がっていた参加者同士が有志で連絡を取り合い、なんと数百名単位で情報交換が行われた結果、行方不明の方が見つかった!ということがあったそうです」
『認知症の人だから探す』ではなく『知り合いの○○さんがいなくなったから探す』。
このように、知り合い関係になったからこそ、手を取り合えるコミュニティが生まれていく可能性をRUN伴は秘めています。
障壁を乗り越え、より地域のニーズに合った「RUN伴」へ
順風満帆に広がっているようにもみえるRUN伴ですが、発足当初は様々な問題が起きたそうです。
「当初自治体や医療関係者の方の中には、『認知症の方がタスキリレーをする』ことに懸念を持たれた方も少なからずいらっしゃいました。やったことがないので、リスクを感じられるのは当然だったと思います。」
そのため、最初は有志で小規模での実施から始められたそうです。
「イベントに来た方々が目撃するのは、認知症の方のいきいきとした、見たこともない表情です。そのエネルギーにリアリティを持って触れることで、多くの人たちの見方や考え方が変わっていったと感じます。」
現在、地域の団体やグループが独自で開催できる「RUN伴+(ランともプラス)」※5 も全国に広がっています。
「『助け合える関係になりたい』という地域もあれば、『認知症の方が楽しめるイベントをしたい』という地域もあります。RUN伴+には、各地域のニーズに合ったRUN伴を自発的に行えるように、という想いが込められています」
今後もRUN伴やRUN伴+を通して、地域の方々が支え合えるコミュニティを広げていきたいという徳田さん。
後編では、認知症の方の「日常」に着目した、働く機会を提供する「100BLG」の活動についてお話を伺います。
後編はこちら
そのため、最初は有志で小規模での実施から始められたそうです。
「イベントに来た方々が目撃するのは、認知症の方のいきいきとした、見たこともない表情です。そのエネルギーにリアリティを持って触れることで、多くの人たちの見方や考え方が変わっていったと感じます。」
現在、地域の団体やグループが独自で開催できる「RUN伴+(ランともプラス)」※5 も全国に広がっています。
「『助け合える関係になりたい』という地域もあれば、『認知症の方が楽しめるイベントをしたい』という地域もあります。RUN伴+には、各地域のニーズに合ったRUN伴を自発的に行えるように、という想いが込められています」
今後もRUN伴やRUN伴+を通して、地域の方々が支え合えるコミュニティを広げていきたいという徳田さん。
後編では、認知症の方の「日常」に着目した、働く機会を提供する「100BLG」の活動についてお話を伺います。
後編はこちら
※1:NPO法人認知症フレンドシップクラブ 公式ホームページ
(http://dfc.or.jp/)
※2:株式会社DFCパートナーズ 会社概要
(http://dfc.or.jp/dfcp)
※3:100BLG株式会社 公式ホームページ
(https://100blg.org/)
※4:RUN伴 公式ホームページ
(https://runtomo.org/)
※5:RUN伴+ イベント概要
(https://runtomo.org/plus/)
(http://dfc.or.jp/)
※2:株式会社DFCパートナーズ 会社概要
(http://dfc.or.jp/dfcp)
※3:100BLG株式会社 公式ホームページ
(https://100blg.org/)
※4:RUN伴 公式ホームページ
(https://runtomo.org/)
※5:RUN伴+ イベント概要
(https://runtomo.org/plus/)
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