認知症への備え方

認知症への備え方

認知症になったからといって、急に何もできなくなるわけではなく、自分らしい生活を送ることはできます。その期間を少しでも長くするためには、判断能力がある元気なときに、将来に備えておくことが大切です。

認知症に備えておくために必要なこと

認知症への備えとして、事前にやっておきたいことは、大きく次の4つがあげられます。
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<備えのポイント>1番の基本として自分自身のことを書き記しておく

必要な情報を整理しておくと、いざというときに役立ちます

家族や親しい友人でも、知られていないことは意外とあるものです。自分自身の大切な情報や想いなどを整理し、記載しておくと、いざ何かあったときに役立ちます。
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<備えのポイント>身辺の整理をしておく

資産やパソコン・スマートフォンに関することを整理しておきましょう

資産状況を整理しておくことは、将来の生活や相続のことを考える上でも大切です。また、パソコン・スマートフォン内のデータやインターネットを利用したオンラインのサービス、SNSなど、自分以外の人にはわかりづらい情報も、整理しておくことが望まれます。
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※自分で行うことが難しい場合は、子どもや親族、親しい友人など信頼できる人に頼みましょう。

<備えのポイント>自分の望みを周囲に伝えておく

どういう生活を送りたいか、事前に示しておくことも大切です

認知症が進行すると、いずれは自分で意思表示をすることが難しくなります。そのときに備えて、どういう生活を送りたいかをはじめ、医療や介護についての方針、最期を迎える場所や延命措置への希望など、あらかじめ周囲に伝えておくことが、自分らしい生活を続けることにつながります。
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エンディングノートを 活用することも 有効な方法

もしものことがあったときに備えて、家族が様々な判断や手続きを進めるのに、必要な情報を残す「エンディングノート」を活用する人が増えています。遺言書のように法的効力はありませんが、伝えたい内容を整理でき、人生の振り返りや備忘録としても活用することができます。

<備えのポイント>将来の支援について決めておく

信頼できる受任者と支援内容を事前に定めておくことができます

認知症になって判断能力が低下すると、日常生活に様々な支障が出てきます。財産の管理や、医療・介護をはじめ生活上の手続きや契約を適切に行うことも難しくなりますが、そうした判断能力が低下した人を、法的にサポートをする制度として、成年後見制度があります。

特に「任意後見制度」では、自分の意思で受任者(将来の任意後見人)と支援内容を定めておくことができ、判断能力のある元気なうちに、将来の支援について定めておくことができます。

なお、成年後見制度について相談したいときは、下記のようなところが対応しています。
主な相談先 : 地域包括支援センター/社会福祉協議会/権利擁護センター/成年後見センター/弁護士会/司法書士会など

知っておきたい 成年後見制度

「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります

成年後見制度には、既に判断能力が不十分な人を保護・支援する「法定後見制度」と、将来、判断能力が不十分になったときに備えておくための「任意後見制度」の2種類があります。
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安心して、自分らしく最期まで過ごすために活用したい「任意後見制度」

任意後見制度では、自分が信頼できる人に、判断能力が低下した後のことを託せますので、安心して、自分らしく最期まで過ごすために、有効に活用したい制度です。利用する場合には、ポイントとなることが2つあります。

①誰を任意後見人にするかを決める

任意後見人になるための資格は必要ありません。家族でも親戚や友人でも任意後見人になれますし、弁護士や司法書士のほか、法人と契約を結ぶこともできます。また、複数にすることも可能です。

②任意後見人に何をしてもらいたいかを決める

依頼できることは、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約などで、当事者同士の契約によって決まります。

日本生命の「GranAge Star(グランエイジスター)」をご活用ください

任意後見制度は有益な制度ですが、「周りにお願いできない」「子どもや親族に迷惑をかけたくない」といったように、身近な人に任意後見人をお願いできない場合も少なくありません。そんなときは日本生命のご契約者向け有償サービス「GranAge Star」の活用もご検討ください。「任意後見サービス」として、あなたの想いを託せる法人をご紹介いたします。詳しくは、日本生命ホームページをご覧ください。
※掲載している内容は、2020年3月現在の成年後見制度に基づきます。 
※詳しくは、法務省のホームページなどをご覧ください。

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