認知症の重症度別で見る介助のポイント

認知症の重症度別で見る介助のポイント

認知症のステージ分類のうち段階3から段階4程度までを軽度の認知症、段階5程度を中等度の認知症、段階6程度以上を重度の認知症と分類する場合があります。この記事では、認知症の重症度別で見る介助のポイントについて解説します。

家庭内での介助のポイント

家庭内での介助では、以下のポイントがあります。

●部屋の移動
・軽度:蛍光色テープを床に貼り、暗い状態でも目的の場所を見つけやすくする。
・中等度:トイレ・部屋等に目印を付け、そこを目指すよう伝える。
・重度:トイレ・トイレ周辺の照明を常に付けておく・ドアを開けた状態にしておく・大きな文字で名称を記載する。

●排便・排尿
・中等度:洗浄用レバー・ボタンの位置や操作の仕方を言葉で伝える。
・重度:便意の兆候が現れていないか気を配る・気になるものが視界に入らないようにする・トイレットペーパーを切りそろえておく・トイレ内にゴミ箱を用意する・目立つ色の便座カバーを使い便座を分かりやすくする。

●手洗い
・中等度:水の出し方・温度調節用水道栓の回し方・ハンドソープの出し方等を実践しながら伝える。
・重度:片手をゆっくり誘導し、水の温度を確認してもらう・洗面器に溜めた水で手洗いしてもらう。

●食事
・中等度:ご本人の見える場所に間食を置く・摂りやすい温度の食事を用意する。
・重度:食べ始めない場合は最初の一口を介助する・ご自身で一口分に切り分けられない場合は声をかけてから切り分ける・スプーンや食器の大きさを調整する・手づかみで食べてしまう場合は手づかみで食べてもよい食事(おにぎり・サンドイッチ等)に切り替える。

●入浴
・中等度:身振り手振りを交えながら洗い方を具体的に伝える・「シャンプー」「ボディーソープ」等と容器に大きな文字で書く。
・重度:浴室へ移動する際に繰り返し声をかける・入浴を嫌がる場合は移動した後に「せっかくだから入ろう」と伝える等する・シャワーの水圧に驚く場合は洗面器に入れたお湯を使う。

移動・外出に伴う介助のポイント

移動・外出の介助では、以下のポイントがあります。

●靴を履く
・重度:靴をあらかじめ並べておく・玄関に椅子を用意する。

●移乗する
・重度:座る位置を身振り手振りで伝え、正しい位置に座ってもらう。

●横になる
・重度:実際にやってみせ、真似てもらう。

●買い物をする
・軽度:買い忘れがないようメモをする・店舗の案内表示を指差しで伝える・冷蔵庫の扉に消費期限を書いた紙を貼る。
・中等度:比較的空いている時間を選び一緒に買い物に行く。


中等度以上になると、意思表示をすることが難しくなる可能性があります。このような場合は、最後まで話を聞き、復唱し確認するようにすると、意思表示しやすくなると言われています。また、重度になると質問に対して言葉が出なくなる可能性があります。このような場合は、選択肢を用意し「AとBどっちにする?」と質問してあげると意思表示しやすくなります。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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