【仕事と介護の両立支援】会社の介護休業制度の使い方

【仕事と介護の両立支援】会社の介護休業制度の使い方

親の介護が始まると、「仕事はどうしよう」と悩むことになりがちです。この記事では、会社の介護休業制度の使い方について解説します。

親の介護と仕事との両立を考える!

親の介護が始まると、「仕事はどうしよう」と悩むことになりがちです。
Mさん(44歳)は、夫と、夫の父親(80代)と3人暮らしをしています。昨年、義父は病気で入院しました。退院して自宅に戻った後は、介護が必要になりました。介護保険の認定は「要介護1」。Mさん夫婦は共働きなので、日中、義父の介護をどうするか、頭を抱えました。考え抜いて、「仕事を辞めるしかない」との結論に至り、上司に話しました。すると、Mさんの上司は「辞めるのは最後の手段。介護休業を取って、仕事と両立できる体制を築けば何とかなる」ときっぱり。上司は介護経験があったのです。「上司に恵まれ、ラッキーでした」とMさんはにっこり。
義父は、施設に通って介護を受けるデイサービスを週に2回、ヘルパーに自宅に来てもらうホームヘルプサービスを週に3回利用することになりました。
そこで、Mさんは、思い切って30日間、「介護休業」を取得することを決断。「約1カ月、義父の傍にいて、その間に義父には介護サービスに慣れてもらいました。私も、介護スタッフの方と直接会い、話し、どのように介護をされるか見ることができ、おまかせしても大丈夫という信頼関係を築くことができました」とMさんは話します。
介護休業は法律で定められており、93日休業できることとなっています。企業にとっては、法定以上に充実させているところも。法律なので、就業規定に記載がなくても利用できます。注意したいのは、利用の仕方です。通常、介護は93日では終了しません。休業して、自分の手ですべて行うと、94日目には離職しなければならないことになってしまいます。Mさんのように、サービスを取り入れて介護体制を築くために利用したいですね。

介護体制を築くために介護休業制度を活用しよう!

「介護休業」は、例えば、退院時、在宅サービス導入時、施設検討時などの介護体制構築の際に役立ちます。「介護休暇」は突発的な休暇が必要になった際などに活用したいものです。
◆介護休業制度の主な内容◆
・介護休業
【利用期間/回数】 対象家族1人につき3回まで、通算93日まで休業できます。
「介護休業給付金」(賃金の67%)が最長93日支給されます。

・介護休暇
【取得できる日数】 対象家族が1人の場合は、年5日まで(対象家族が2人以上の場合は年10日まで)。
【取得単位】 1日または時間単位。
書面の提出に限定されておらず、口頭での申出も可能なため、急な病院付き添いなどに役立ちます。
提供元:介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子

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