腸内フローラと肥満・糖尿病の関係性と腸内フローラを整える方法

腸内フローラと肥満・糖尿病の関係性と腸内フローラを整える方法

人の腸内には約1,000種類、100兆個の多種多様な細菌が生息しており、顕微鏡で腸内を覗くと「お花畑(フローラ)」のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。この記事では、腸内フローラと肥満・糖尿病の関係性と、腸内フローラを整える方法について解説します。

腸内フローラと肥満・糖尿病との関係性

腸内フローラの乱れは、肥満や糖尿病に関係している可能性が指摘されています。

●腸内フローラと肥満
腸内フローラを形成する腸内細菌には善玉菌・悪玉菌・日和見菌(善玉菌が優勢の状態では善玉菌の味方となり、悪玉菌が優勢の状態では悪玉菌の味方となる細菌)の3種類があり、ヒトの腸に多く存在する日和見菌としては、「バクテロイデス門」と「フィルミクテス門」の2種類があります。

このうち、肥満を防ぐ作用があると考えられているものがバクテロイデス門の細菌です。バクテロイデス門の細菌は腸内で食べ物を分解する際に「短鎖脂肪酸」を生成します。この短鎖脂肪酸が脂肪細胞に働きかけると、脂肪を溜め込みにくくなると言われています。一方、フィルミクテス門の細菌は脂肪や肉類の多い食事を好み、増加するとバクテロイデス門の細菌を減少させ、脂肪の吸収を加速させると考えられています。肥満の方の腸内はフィルミクテス門が多く、たくさん食べているのに痩せている方の腸内はバクテロイデス門が多い傾向にあると言われています。

●腸内フローラと糖尿病
糖尿病はインスリン(すい臓から分泌される血糖値を下げるホルモン)が出にくくなる等が原因で発症する疾患ですが、腸内フローラが乱れると腸内の悪玉菌が血中に入り込み、インスリンの分泌量を低下させる可能性があると考えられています。

腸内フローラを整える方法

腸内フローラを整えるには、善玉菌を活性化させ、悪玉菌が優位にならないようにする食生活を心がけることがおすすめです。

●高脂肪の食べ物を控える
悪玉菌は脂肪やタンパク質をエサに増殖します。肉食に偏った食事を避け、揚げ物・スナック菓子・ケーキ類も控えるようにしましょう。

●水溶性食物繊維・オリゴ糖を積極的に摂る
食物繊維とオリゴ糖は善玉菌のエサになります。食物繊維は水溶性・不溶性の2つに分類されますが、善玉菌の活性化に特におすすめとされているものは水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は野菜類(ごぼう・にんじん・芽キャベツ・おくら・ブロッコリー・ほうれん草等)・果物類・いも類・きのこ類・海藻類・大豆製品等に含まれ、オリゴ糖は野菜類(玉ねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス等)・バナナ・大豆製品等に含まれています。


腸内フローラは、食生活の見直しである程度整えられます。健康的な体作りの基本となる「バランスの整った食生活」を心がけた上で、善玉菌を増やす食べ物を積極的に取り入れるようにしましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生22-3567,商品開発G

関連記事

  • 微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症とは、心臓弁膜症等の疾患が認められず、直径100μm(マイクロメートル)以下の微小な冠動脈(かんどうみゃく)が充分に拡張しなかったり、著しく収縮したりすることで起こる狭心症です。この記事では、微小血管狭心症の特徴と治療について解説します。

  • 糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病の方は皮膚トラブルが起こりやすく、皮膚トラブルが悪化すると壊疽(えそ:皮膚・皮下組織等が壊死し、黒く変色した状態)等に進行し、日常生活に支障を来す可能性があります。この記事では、糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて解説します。

  • 直腸がんの症状と予防対策

    直腸がんの症状と予防対策

    直腸は大腸の一部であり、15cmから20cm程度の長さがあります。上部から直腸S状部・上部直腸・下部直腸に分けられ、上部でS状結腸からつながり下部で肛門へとつながります。この記事では、直腸がんの症状と予防対策について解説します。