心臓リハビリテーションの目的と内容

心臓リハビリテーションの目的と内容

急性心筋梗塞や狭心症等の心疾患を発症すると、心臓リハビリテーションが必要になる可能性があります。この記事では、心臓リハビリテーションを行う目的と内容について解説します。

心臓リハビリテーションの目的

心臓リハビリテーションとは、主に以下の目的のために行われるリハビリプログラムです。

・低下した体力や運動機能を回復することで、症状の軽減や心臓への負担の軽減を目指す
・体力・症状を回復することで、より快適で質の高い生活を過ごせるようになることを目指す
・治療期間中・リハビリ期間中における抑うつ状態の予防・回復を目指す
・心疾患の再発・再入院のリスクを低減する
・社会復帰・職場復帰を前に「日常生活を送れる」という自信を取り戻す
・入院が続いたこと等による「復帰への不安」を軽減する

心臓リハビリテーションの内容

心臓リハビリテーションでは、専門医・理学療法士・看護師・薬剤師・臨床心理士といった様々な専門医療職が関わり、心疾患を患った方が自身の疾患を理解することへのサポートから始まり、その方の状態に合わせた運動療法・食事療法・服薬指導・禁煙指導・安全指導・精神的ケア等の総合的なリハビリプログラムを行います。一般的には以下のように時期区分ごとで内容が変わっていきますが、どのような心臓リハビリテーションを行うかについては、心疾患の種類やその方の状態によって異なります。

●急性期(入院早期)
絶対安静が解除される程度に状態が安定したら、段階的に身のまわりの活動(廊下の歩行・洗面・排便・シャワー浴等)をできるようにしていきます。心臓機能の検査を行い、活動量の負荷を調整しながら生活指導・禁煙指導等も行います。

●回復期(入院後期から退院後数カ月)
退院以降の社会復帰を目指す準備として、身体活動範囲を少しずつ広げていく期間です。問診・心電図検査等を行い、危険がないように運動負荷を管理しながら運動療法を実践し、カウンセリング・食事療法の指導等も行われます。退院後も、外来通院や在宅でのリハビリテーションが続けられます。

●維持期(生涯にわたって)
社会復帰や職場復帰を果たした後も、良好な身体状態・精神状態を維持するため、運動療法・食事療法・禁煙等のリハビリテーションを続けることになります。


心臓リハビリテーションは、「より快適な社会生活」を送れるようにするためのリハビリプログラムであり、再発予防にも役立ちます。運動療法はプログラム上で大切な役割を担っていますが、負荷が軽すぎたり重すぎたりすると、望んだ結果を得られなかったり、健康を損なったりする恐れがあります。食事療法や禁煙等も含め、リハビリプログラムは無理のない範囲で「気長に続けること」が大切です。医療機関の指示は必ず守りましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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