認知症の治療法は、薬を使う「薬物療法」と薬を使わない「非薬物療法」に分けられます。非薬物療法で主に実施されるのが「リハビリ」です。今回は、認知症の方にどんなリハビリが行われるのか、具体的な内容や目的などについてご紹介していきます。
認知症にはリハビリが効果的?
認知症の治療に欠かせないものの一つが、薬を使わずに脳を活性化し、残っている認知機能や生活能力を高める「リハビリ」などの非薬物療法です。本来のリハビリは「あるべき状態への回復」を目的としますが、認知症のリハビリでは「脳を刺激して進行を遅らせる」ことを目的として実施します。
認知症のリハビリには、「役割や活動の場を確保することで自信を取り戻し、自発性が引き出される」という効果があると考えられています。認知症が進行すると日常生活で家事などがうまくできなくなるため、ご家族が本人の役割を取り上げて何もさせない状況を作ってしまいがちです。
しかし、何もやることがなく日々を過ごすだけでは、体や頭を動かす機会が減るために認知機能はさらに低下してしまいます。さらに「認知症だからと言われて、何もできなくなってしまった」と自尊心が傷つけられ、本人の不安が大きくなり、抑うつにつながる可能性もあります。
認知機能を維持させ、認知症の進行を遅らせるためには、本人ができることや興味を持つ機会を増やし、心と体を刺激することが重要です。それが本人の生活の質(QOL)の維持や、介護する方の負担軽減にもつながります。
認知症のリハビリには、「役割や活動の場を確保することで自信を取り戻し、自発性が引き出される」という効果があると考えられています。認知症が進行すると日常生活で家事などがうまくできなくなるため、ご家族が本人の役割を取り上げて何もさせない状況を作ってしまいがちです。
しかし、何もやることがなく日々を過ごすだけでは、体や頭を動かす機会が減るために認知機能はさらに低下してしまいます。さらに「認知症だからと言われて、何もできなくなってしまった」と自尊心が傷つけられ、本人の不安が大きくなり、抑うつにつながる可能性もあります。
認知機能を維持させ、認知症の進行を遅らせるためには、本人ができることや興味を持つ機会を増やし、心と体を刺激することが重要です。それが本人の生活の質(QOL)の維持や、介護する方の負担軽減にもつながります。
認知症の方へのリハビリの注意点とは?
認知症患者向けのリハビリを含めた非薬物療法は、「作業療法」と呼ばれます。ここでいう作業とは、食事、入浴、排泄、家事など日常生活に関わる活動のことです。
こういった作業ができるようにサポートする専門職が「作業療法士」ですが、病院やデイサービス、グループホームなどで作業療法を実践するのは、作業療法士に限りません。作業療法とは、「生活行為をサポートすることで、本人の健康や幸福を促進する」ためのものなので、ご自宅での実践も作業療法といえるでしょう。
ただ、リハビリを含めた作業療法は、ただ漫然と作業をさせれば良いというものではありません。患者の状態や、好きな作業への思いを事前にヒアリング・分析し、その人にふさわしいプログラムを設定してあげることが大切です。
こういった作業ができるようにサポートする専門職が「作業療法士」ですが、病院やデイサービス、グループホームなどで作業療法を実践するのは、作業療法士に限りません。作業療法とは、「生活行為をサポートすることで、本人の健康や幸福を促進する」ためのものなので、ご自宅での実践も作業療法といえるでしょう。
ただ、リハビリを含めた作業療法は、ただ漫然と作業をさせれば良いというものではありません。患者の状態や、好きな作業への思いを事前にヒアリング・分析し、その人にふさわしいプログラムを設定してあげることが大切です。
認知症患者にはどんなリハビリが行われる?
認知症患者向けのリハビリ(作業療法)としては、主に以下のようなものが挙げられます。
■認知刺激療法
言葉や会話だけでなく、五感(見る、触る、聞く、味わう、匂いをかぐ)を刺激することで、脳の活性化や認知機能の改善をはかります。
塗り絵や習字といった創作活動、音楽鑑賞などは、脳を活性化する効果が期待できます。また、足湯やホットパックなどで「温かい」「気持ちいい」といった触覚刺激を利用して、気分の安定を図るのも有効と考えられています。
■回想法
認知症の方は、最近の出来事は忘れていても昔の出来事はよく覚えています。好きだったおもちゃや道具、写真などを見せながら、懐かしく楽しい思い出や経験を話してもらい、記憶を引き出したり、「教える」という役割を本人に演じてもらうことで、QOLの向上が期待できます。また、いっときではあっても、現在の不安や混乱から解放され、本人の良いところが現れやすくなります。
■音楽療法
本人にとって懐かしい歌や音楽を聴かせることで、心身ともにリラックスし、不安やストレスが緩和されやすくなります。また、歌ったり楽器を演奏したりすることで、身体能力の改善も期待できます。
■リアリティオリエンテーション
認知症の方は、見当識障がい(時間や場所がわからなくなる状態)が見られやすい傾向があります。そこで、現実を正しく把握してもらうための介入方法が「リアリティオリエンテーション」です。本人の名前やご家族、今いる場所や日付、季節など、自分と自分のいる環境を正しく理解する練習を重ねることで、症状の改善をはかります。
日常会話の中で、「桜の季節ですね」「もうすぐ花火大会ですね」など、本人の生活背景に合った現実的な会話を取り入れるのがコツです。
■運動療法
体を動かすことで寝たきりになるのを防ぎ、睡眠障がいや興奮などの行動障がいを軽減させます。本人の体調を考慮しつつ、椅子に腰をかけながらできるような簡単な運動をゆっくり行い、転倒に注意しましょう。
■その他のレクリエーション療法
絵を描く、動物と触れ合う、陶芸、園芸、ゲームなどで楽しみながら気持ちの安定をはかります。本人の得意なことや興味のあることが気持ちを活発にし、自発性を引き出したり、自信を取り戻したりする効果が見込めます。
■認知刺激療法
言葉や会話だけでなく、五感(見る、触る、聞く、味わう、匂いをかぐ)を刺激することで、脳の活性化や認知機能の改善をはかります。
塗り絵や習字といった創作活動、音楽鑑賞などは、脳を活性化する効果が期待できます。また、足湯やホットパックなどで「温かい」「気持ちいい」といった触覚刺激を利用して、気分の安定を図るのも有効と考えられています。
■回想法
認知症の方は、最近の出来事は忘れていても昔の出来事はよく覚えています。好きだったおもちゃや道具、写真などを見せながら、懐かしく楽しい思い出や経験を話してもらい、記憶を引き出したり、「教える」という役割を本人に演じてもらうことで、QOLの向上が期待できます。また、いっときではあっても、現在の不安や混乱から解放され、本人の良いところが現れやすくなります。
■音楽療法
本人にとって懐かしい歌や音楽を聴かせることで、心身ともにリラックスし、不安やストレスが緩和されやすくなります。また、歌ったり楽器を演奏したりすることで、身体能力の改善も期待できます。
■リアリティオリエンテーション
認知症の方は、見当識障がい(時間や場所がわからなくなる状態)が見られやすい傾向があります。そこで、現実を正しく把握してもらうための介入方法が「リアリティオリエンテーション」です。本人の名前やご家族、今いる場所や日付、季節など、自分と自分のいる環境を正しく理解する練習を重ねることで、症状の改善をはかります。
日常会話の中で、「桜の季節ですね」「もうすぐ花火大会ですね」など、本人の生活背景に合った現実的な会話を取り入れるのがコツです。
■運動療法
体を動かすことで寝たきりになるのを防ぎ、睡眠障がいや興奮などの行動障がいを軽減させます。本人の体調を考慮しつつ、椅子に腰をかけながらできるような簡単な運動をゆっくり行い、転倒に注意しましょう。
■その他のレクリエーション療法
絵を描く、動物と触れ合う、陶芸、園芸、ゲームなどで楽しみながら気持ちの安定をはかります。本人の得意なことや興味のあることが気持ちを活発にし、自発性を引き出したり、自信を取り戻したりする効果が見込めます。
おわりに:認知症の進行を遅らせるには、日々のリハビリが重要!
認知症が進行すると、失敗を防ぐために患者に「何もさせない」状態を作ってしまうご家族もいらっしゃいますが、心身の機能を維持し、認知症の進行を遅らせるには、「できること・好きなことはやらせてあげる」ことが重要です。一緒に食器を片付ける、洗濯物をたたむなどの家事や趣味活動をサポートし、日常生活の中でできるリハビリを取り入れていきましょう。