塩分とむくみの関係と受診が勧められるむくみの特徴

塩分とむくみの関係と受診が勧められるむくみの特徴

塩分を摂り過ぎるとむくみやすくなりますが、むくみには塩分の摂り過ぎ以外にも原因があります。この記事では、塩分とむくみの関係と受診が勧められるむくみの特徴について解説します。

塩分とむくみの関係

体内には塩分濃度を一定に保つ機能があり、塩分を多く含む食べ物・飲み物を摂取すると、水分を蓄積することで塩分濃度を下げようとします。体内では、毛細血管から細胞間質液【細胞と細胞の間を満たす液体】に染み出す水分量を増加させたり、細胞間質液から静脈・リンパ管へ回収される水分量を低下させたりすることで水分を蓄積しますが、これらの影響で起こる細胞間質液の増加により、むくみが生じると考えられています。なお、むくみが生じると、以下のような症状・変化が現れるようになります。

・喉が渇く
・体が重たい感じがする
・靴がきつくなる
・靴下の跡が普段よりくっきり残る 等

受診が勧められるむくみの特徴

むくみは、以下が原因で起こる可能性があり、医療機関での治療が必要になる場合もあります。

・静脈の血圧上昇:心不全・腎不全・下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)・深部静脈血栓症・子宮筋腫・血栓・腫瘍・血管の圧迫等により、静脈の血流が滞る・血管内の水分量が多くなる等の影響で静脈の血圧が上昇すると、むくみが生じる可能性がある
・栄養不足:栄養失調・ネフローゼ症候群・肝硬変等により栄養が血液に行き渡らない状態になると、血管から水分が染み出しやすくなり、むくみが生じる可能性がある
・血管透過性(けっかんとうかせい)【血管と周辺組織間で水分・栄養が移動する性質】の高まり:膠原病・内分泌疾患等により血管透過性が高まると、血管から水分が染み出しやすくなり、むくみが生じる可能性がある
・リンパ管の閉鎖:リンパ節を取り除く手術・放射線治療等の影響でリンパ液の流れが停滞すると、リンパ浮腫というむくみを引き起こす

なお、以下の特徴があるむくみ・むくみと共に以下の症状が現れている際は、治療が必要になる可能性があります。

・薬を変えた・飲み始めたタイミングでむくみが生じた
・発熱に伴いむくみが生じた
・数日間、局所的にむくみが生じた
・関節の痛みを伴うむくみが生じた
・尿が泡立っている
・夜間に息苦しさを感じる
・横になると苦しい
・足の静脈が浮き出てきた
・急激に体重が減少した
・疲れやすくなった
・脈拍が遅くなった、または、速くなった
・汗の量が急激に増加し、暑がりになった
・汗の量が急激に低下し、寒がりになった


適切な塩分摂取量の目安は、年齢・血圧・持病の有無等により異なります。何らかの疾患で治療を受けている方が食生活を見直す際は、まずは医療機関に相談することをおすすめします。また、むくみは心疾患・腎疾患等の深刻な疾患が原因で生じている可能性があるため、上記の症状に気づいた際は、早めに医療機関を受診するようにしてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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