【健康コラム】高血圧のリスクと予防のための食生活

【健康コラム】高血圧のリスクと予防のための食生活

生活習慣病全般に良いとされる生活習慣は認知症予防にも有効です。疾病の仕組みや原因、その予防方法について知り、健康的な生活を心がけましょう。
 
高血圧が身体に良くないことはご存知と思いますが、高血圧には具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。
今回は、高血圧が引き起こす病気についてお伝えしてきます。また、高血圧を防ぐための食生活についても解説していきますので、毎日の食事に取り入れてみてください。

高血圧が発症リスクを高める病気

高血圧は、安静にしているときの血圧が「収縮期(上の血圧)140mmHg以上、または拡張期(下の血圧)90mmHg以上」の状態のことです。

高血圧の状態が続くと慢性的に血管に大きな負担がかかるため、血管の内側の壁が傷つきやすくなります。血管の内側の壁が傷つくと血管の壁にコレステロールや脂肪が溜まりやすくなり「動脈硬化」のリスクが高まります。

動脈硬化は、以下のような「生命に関わる病気」の発症リスクを高めるので注意が必要です。

●脳卒中
脳卒中は、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の3種類に分かれ、脳の血管が詰まったり破けたりすることで起こる病気です。高血圧によって大きくリスクが上昇する病気であり、発症すると、たとえ命が助かったとしても言語障がい、運動障がいなどの重篤な後遺症が残る可能性があります。

●心疾患
高血圧が続くと、心臓が常に強い力で血液を送り出さなければいけない状態になるため「心肥大」のリスクが高まります。また、心臓の血管にも動脈硬化が起こるので、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクも上昇します。
心肥大も虚血性心疾患も、放置すれば最終的に心不全に進行します。

●腎硬化症、慢性腎臓病
高血圧が続いて動脈硬化が進むと、腎臓の血管にも動脈硬化が起こります。腎臓の血管の動脈硬化は腎硬化症を引き起こし、腎臓の機能が低下します。すると、血液中の塩分などの排泄がうまくいかなくなって腎臓への負担が大きくなり、さらに血圧が上がるという悪循環を引き起こします。
高血圧が続いて慢性腎臓病に進行すれば、脳卒中や心筋梗塞による死亡率も上昇するといわれています。

高血圧を防ぐための食生活のポイントは?

高血圧が引き起こす重篤な病気を防ぐためには、高血圧そのものを予防することが大切です。以下のようなポイントに注意して食生活を見直しましょう。

・主菜は肉を控えめにした「魚中心」を心がけ、摂取カロリーを抑える
・脂身やレバー、バター、揚げ物などの高コレステロール食品を食べすぎないようにする
・糖分やアルコールは控えめにする
・主食、主菜、副菜のバランスを考え、なるべく多くの食材を食べるようにする
・食物繊維を積極的にメニューに取り入れる
・出汁や下味、スパイスを工夫して、料理に使う塩分の量をできるだけ少なくする

ちなみに、血圧を下げる働きがあるカリウムですが、腎臓の働きが悪くなっているときに摂りすぎると腎臓に負担をかけてしまいます。すでに腎臓の病気の治療を始めている方や血液検査で異常値が出ている方は、医師と相談しながら食事内容を見直しましょう。

高血圧は「命にかかわる怖い病気」のもと。予防のために食生活を見直そう

高血圧を放置していると、脳卒中や心疾患、腎臓病など命に関わる怖い病気を引き起こすリスクが高まります。脂質や糖質、塩分を抑え、食物繊維を増やしたバランスのよい食生活を心がけて高血圧を予防しましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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