【長生き応援シリーズ】遺言書とは? 書き方や効力を発揮するケースに関して⑤~自筆証書遺言の書き方~

【長生き応援シリーズ】遺言書とは? 書き方や効力を発揮するケースに関して⑤~自筆証書遺言の書き方~

シリーズ「遺言書とは? 書き方や効力を発揮するケースに関して④~無効になってしまう遺言書とは~」では、法的に無効になってしまう遺言書についてお伝えしました。
では、遺言書はどのように書いたらよいのでしょうか。今回は、遺言書の中でも作成されることの多い自筆証書遺言と公正証書遺言のうち、自筆証書遺言の書き方についてお伝えします。
自筆証書遺言とは、遺言者自身が手書きで記す遺言書のことです。
使う用紙は自由です。筆記用具は消去しにくいものを用います。筆記は全て自ら手書きで行わなければなりません。ただし、近年の相続法改正により、財産目録の部分はパソコンで作成したり、通帳のコピーを添付したりしても認められるようになりました。

内容は何を書いても構いませんが、法的効力を持つのは財産・身分などに関することですので、通常は、誰にどの財産を相続させるのか、あるいはどれくらいの割合の財産を相続させるのか、遺言執行者に誰を指定するのか、自らの逝去により養育等に当たる人がいなくなる未成年者が家族にいる場合は誰にその子の後見人を任せるのか、などといった重要な事項を中心に構成することになります。なお、日付と署名押印のない遺言は無効になりますので、忘れずに盛り込みましょう。

自筆証書遺言は、他の形式の遺言書のように作成に当たって証人に立ち会ってもらう必要もないうえ、あまり費用をかけずに作成できるメリットがあります。その反面、自分で作成するため、内容が不十分で法的要件を満たさず無効となったり、家庭裁判所による検認(遺言書の存在と内容を確認する手続き)を受ける手間を要したりするというデメリットもあります。また、できあがった遺言書は、基本的には自分で保管することになりますので、紛失したり、誰かに破り捨てられたり、内容を改ざんされたりするおそれもありました。

ところが、前述した相続法の改正によって、2020年(令和2年)7月10日から法務局で自筆証書遺言を保管してもらえる制度がスタートしました。この制度を利用した場合、家庭裁判所による検認は不要となります。また、保管に当たっては、日付や署名押印の有無などの外形的な確認も行われます。自身が亡くなるまで法務局で確実に遺言書を保管してもらえますので、自筆証書遺言の弱点がかなり改善されることになりました。しかしながら、肝心の遺言内容が法的に有効かまでは確認が及ばないため、自身の死後、実際に遺言が有効なものとして機能するかは、遺言者の作成の仕方次第となりますので注意が必要です。
 
次回は、公正証書遺言の書き方について詳しくお伝えします。

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執筆者:一般社団法人シニア総合サポートセンター

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