加齢とともに身体機能が衰えるのと同じく、認知機能も徐々に衰えていくのはよくあることです。その異変で「認知症かも?」「でもどこで検査してもらえばいいかわからない」と戸惑う高齢者やご家族は少なくありません。そんなときのために知っておきたいのが「物忘れ外来」の存在です。
物忘れ外来って?
物忘れ外来とは、老化に伴う正常な「物忘れ」と「認知症」を区別し、認知症を早期発見・治療するための外来です。
物忘れ外来は主に大きな総合病院に併設されており、神経内科や精神科の医師が担当することが多く、段階によっては臨床心理士が対応をします。認知症分野を専門に扱ってきた医師が在籍しているため、認知症を疑って初めて病院を受診する方にとっては、頼りになる存在になるでしょう。
■物忘れと認知症は違う
高齢になってから物忘れが増えると、「認知症ではないか」と心配されるケースが多いですが、「加齢に伴う物忘れ」と「認知症」は違うもので、前者の「加齢に伴う物忘れ」は基本的には心配する必要のない自然現象です。
両者は、以下のように見られる症状が違います。
●加齢に伴う自然な物忘れの特徴
・朝食を食べたことは覚えていても、何を食べたか覚えていない
・俳優など有名人の名前がすんなり出てこないが、ヒントを出せば思い出せる
●認知症による物忘れの特徴
・自分が最近経験したことや体験そのものを忘れる
・朝食を食べたこと自体を覚えていない(記憶から抜け落ちている)
・身近な人の名前を聞いても思い出せない
・上記のような物忘れにより、日常生活に支障をきたす
両者の見分けは本人はもちろんご家族でも難しいため、専門医のもとできちんと検査を受ける必要があります。また、物忘れは認知症レベルまでには認知機能が低下していない「軽度認知障がい(MCI)」から起きることもあります。軽度認知障がいはその後認知症に移行することもあるので、早期発見が重要です。
そういった際に適した受診先となるのが「物忘れ外来」です。
物忘れ外来は主に大きな総合病院に併設されており、神経内科や精神科の医師が担当することが多く、段階によっては臨床心理士が対応をします。認知症分野を専門に扱ってきた医師が在籍しているため、認知症を疑って初めて病院を受診する方にとっては、頼りになる存在になるでしょう。
■物忘れと認知症は違う
高齢になってから物忘れが増えると、「認知症ではないか」と心配されるケースが多いですが、「加齢に伴う物忘れ」と「認知症」は違うもので、前者の「加齢に伴う物忘れ」は基本的には心配する必要のない自然現象です。
両者は、以下のように見られる症状が違います。
●加齢に伴う自然な物忘れの特徴
・朝食を食べたことは覚えていても、何を食べたか覚えていない
・俳優など有名人の名前がすんなり出てこないが、ヒントを出せば思い出せる
●認知症による物忘れの特徴
・自分が最近経験したことや体験そのものを忘れる
・朝食を食べたこと自体を覚えていない(記憶から抜け落ちている)
・身近な人の名前を聞いても思い出せない
・上記のような物忘れにより、日常生活に支障をきたす
両者の見分けは本人はもちろんご家族でも難しいため、専門医のもとできちんと検査を受ける必要があります。また、物忘れは認知症レベルまでには認知機能が低下していない「軽度認知障がい(MCI)」から起きることもあります。軽度認知障がいはその後認知症に移行することもあるので、早期発見が重要です。
そういった際に適した受診先となるのが「物忘れ外来」です。
物忘れ外来ではどんな検査を行う?
物忘れ外来では、認知症か物忘れかを判別するために、次のような検査を行います。
■問診
いつ頃からどのような行動に違和感を覚えたのか、現在困っていることは何か、これまでかかったことのある病歴や現在の健康状態などを尋ねます。
頭にケガをしたことがある方は、そのときの外傷が認知症を引き起こしている可能性があるので、転倒などで頭をぶつけたことがないか確認します。
■神経心理学検査
知的機能や認知機能、記憶力、実行機能を確認するため、簡単な質問(「今日は何月何日ですか?」と尋ねたり、簡単な計算問題をする)を投げかけて、脳の働きをチェックします。
■脳画像検査
MRIやCTなどの画像検査を実施して、脳の海馬の萎縮や、脳出血・脳梗塞などの脳血管障がいの有無を調べたり、脳の血流量を調べたりします。
■その他の検査
認知症か物忘れか、それとも別の病気かを鑑別するため、血液検査やレントゲン検査などを実施することがあります。
■問診
いつ頃からどのような行動に違和感を覚えたのか、現在困っていることは何か、これまでかかったことのある病歴や現在の健康状態などを尋ねます。
頭にケガをしたことがある方は、そのときの外傷が認知症を引き起こしている可能性があるので、転倒などで頭をぶつけたことがないか確認します。
■神経心理学検査
知的機能や認知機能、記憶力、実行機能を確認するため、簡単な質問(「今日は何月何日ですか?」と尋ねたり、簡単な計算問題をする)を投げかけて、脳の働きをチェックします。
■脳画像検査
MRIやCTなどの画像検査を実施して、脳の海馬の萎縮や、脳出血・脳梗塞などの脳血管障がいの有無を調べたり、脳の血流量を調べたりします。
■その他の検査
認知症か物忘れか、それとも別の病気かを鑑別するため、血液検査やレントゲン検査などを実施することがあります。
物忘れ外来は「早めの受診」が大切
認知症は放置すると徐々に進行してしまいますが、早期発見と治療によって、進行を遅らせることができる病気です。物忘れが度々見られるようになったなど、「何か変だな」と思った段階での受診が理想的です。
「認知症だと判明するのが怖い」という理由で物忘れ外来に行くのをためらう方も少なくありませんが、認知症は完治が難しいものの、適切な治療で進行を緩やかにすれば、ご本人やご家族の生活の質(QOL)を保ちやすくなります。軽度認知障がい(MCI)の段階で早期対処すれば、本格的な認知症の発症を予防できることもあるので、早めに受診しましょう。
「認知症だと判明するのが怖い」という理由で物忘れ外来に行くのをためらう方も少なくありませんが、認知症は完治が難しいものの、適切な治療で進行を緩やかにすれば、ご本人やご家族の生活の質(QOL)を保ちやすくなります。軽度認知障がい(MCI)の段階で早期対処すれば、本格的な認知症の発症を予防できることもあるので、早めに受診しましょう。
おわりに:認知症の進行を防ぐために役立つのが「物忘れ外来」
高齢者の物忘れは「加齢からくる自然現象」であることが多いですが、認知症や軽度認知障がい(MCI)が原因になっている場合は治療が必要であり、早期発見が重要になってきます。
一般の方に認知症か物忘れかを見分けることは難しいです。「認知症かも?」と思ったら、早めにお近くの物忘れ外来を受診して、専門医に相談しましょう。
一般の方に認知症か物忘れかを見分けることは難しいです。「認知症かも?」と思ったら、早めにお近くの物忘れ外来を受診して、専門医に相談しましょう。