認知症で徘徊するようになったときの対処法

認知症で徘徊するようになったときの対処法

認知症が進行すると、徘徊(目的もなく、うろうろと歩き回る状態)をすることがあります。頻繁に徘徊するようになると、認知症の方に危険が及ぶだけでなく、介護する方の負担が大きくなります。この記事では、徘徊するようになったときの対処法をご紹介します。

認知症で徘徊するようになったら

周囲からは意味もなく歩き回っているように見えるかもしれませんが、徘徊している本人には「徘徊するなりの目的」があります。そのため、徘徊をやめさせようと怒ったり、行動を制限しても、本人は目的を達成していないので反発する可能性があります。

認知症の方が徘徊しているときは、まず「どんな目的で行動しているか」を確認し、目的が分かったら、達成できるように誘導してあげましょう。目的がはっきりしない場合は、「トイレへ行きましょう」「部屋へ戻りましょう」と声をかけるのがおすすめです。

外に出たがるときは、家に帰ろうとしていたり、会社に行こうとしていたりする場合が多いです。まずは、本人の気持ちを受け入れ、その上で「今日はもう遅いから泊まりませんか」「今日、会社はお休みですよ」など、本人の中でつじつまが合いそうな言葉を伝えてみてください。

徘徊が増えてきたら

頻繁に徘徊するようになったら、事前に対策を取ることで徘徊や徘徊時のトラブルを防げる場合があります。ただし、認知症の方は環境の変化に弱いため、寝室をトイレのそばに変えるといった対策を取ると症状が悪化する場合があります。

徘徊や徘徊時のトラブルを防ぐには、以下の対策がおすすめです。また、デイサービスなどの介護サービスを利用すると、外出する習慣がつくことで、自宅での徘徊が落ち着く場合があります。

・トイレや部屋の場所がわかるように目印をつける
・玄関の鍵を本人の手の届かない場所に取り付ける
・本人の見えないところに、名前、住所、連絡先を書いた迷子札を縫い付ける
・GPS付きの小さなアクセサリーを身に着けてもらう

徘徊で行方がわからなくなった場合は、すぐ警察に連絡するようにしてください。発見が遅くなると事故等の可能性が高まりますので、家族だけで探そうとすることはおすすめできません。

また、万が一に備えて、近所の方や交番、民生委員に徘徊のことを伝えおくことも大切です。最近は、認知症の方の見守りネットワークサービスを始めている自治体もありますので、お住まいの自治体や警察署に問合せてみてください。

認知症の方が徘徊をしているときは、怒ったり無理やり止めようとしたりせず、まずは話を聞いて寄り添ってあげることが大切です。また、家族だけでは対策が難しい場合もあるので、介護サービスをうまく利用し、近所の方や自治体、警察などに相談することも忘れないようにしましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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