起立性低血圧を引き起こす原因と治療法

起立性低血圧を引き起こす原因と治療法

一時的に低血圧になることで、めまいやふらつきが起こることがあります。この記事では、このようなめまいやふらつきの原因となる、起立性低血圧について解説します。

起立性低血圧とは

起立性低血圧とは、動く前と動いた後の収縮期血圧(最高血圧)が20mmHg以上、または拡張期血圧(最低血圧)が10〜15mmHg以上低くなるもので、脳貧血の一種です。高血圧の方にも起こることがあります。

起立性低血圧は、安静の状態から動き出したとき、一時的に血圧が急降下して脳に必要な血液が行き渡らず、酸素不足になることで発症します。また、一時的に自律神経の調節がうまくいかなかったときに起こることもあります。起立性低血圧を発症すると、立ちくらみやめまい、冷や汗が出るといった症状が現れます。

起立性低血圧には、以下の2種類があります。

●特発性起立性低血圧
原因となる疾患が明らかではなく、神経系に何らかの問題が起こったことで発症すると考えられている起立性低血圧です。学校の朝礼中に倒れる子どもは、その多くが特発性起立性低血圧であると言われています。

●二次性起立性低血圧
原因となる疾患が明らかな起立性低血圧です。原因疾患は糖尿病が最も多いですが、内分泌疾患、心臓弁膜症、心筋症が原因の場合もあります。また、服用中の薬(精神安定剤、パーキンソン病治療薬、降圧剤など)が原因で発症することもあります。

起立性低血圧の治療法

立ちくらみやめまい、ふらつきが頻繁に起こったり、症状がひどくなったりしている場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

二次性起立性低血圧であると判明した場合、原因疾患の治療を行います。一方、特発性起立性低血圧の場合は、規則正しい生活を送る、飲酒を控える、睡眠不足の解消や自分なりのストレス対処法を見つけるなどの生活指導が行われます。

そのほか、立ちくらみやめまいを防ぐため、急に動かないようにする、普段の動作を意図的にゆっくりにするなどの指導も行われますが、これらの方法で症状が改善しない場合は、薬物療法で血液量を増やしたり、血圧を上げたりする方法が検討されることもあります。

起立性低血圧は、原因を特定できることもありますが、はっきり特定できないことも多いです。改善までに時間がかかることもありますが、医師の指導のもと生活習慣を改善し、必要に応じて薬などで症状を軽減しながら、少しずつ乗り越えていきましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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