胃腸のトラブルを防ぐ食事

胃腸のトラブルを防ぐ食事

胃腸は体を支える重要な器官です。疲れると食欲がなくなるように胃腸が弱くなります。暑い日が続いていると食欲不振になりやすいですが、食欲がわかないからといって不規則な食生活を送っていると、体に不調が出てきてしまいます。汗をかきやすい夏は、ミネラルなどの体に必要な栄養素が不足しがちなので、失われた栄養を「食」から補うことが重要です。

夏バテ予防に効果的な食べ物

夏バテを防ぐには、疲労回復に効果のあるクエン酸やビタミンB1のほか、基礎代謝を上げて体力アップできるタンパク質をしっかり摂取することが大切です。以下でこれらの栄養素を多く含む食材をご紹介します。
●クエン酸:梅干し、酢
●ビタミンB1:マグロ、豚肉、うなぎ、卵
●タンパク質:豚肉、カツオ、大豆、チーズ
このほか、ビタミンCを含む野菜や果物、エネルギーのもととなる炭水化物もしっかり摂りましょう。
栄養バランスが整った食生活を送ることで、夏バテしない体をつくることができます。

1日3食しっかり摂ることも大切

暑い日が続くことで、寝つきも悪くなり、朝起きるのがつらくなります。そうすると朝食を抜きがちになってしまいます。しかし、朝食を摂らないと体に必要な栄養が1食分不足してしまうため、体力や集中力が落ちたり、自律神経が乱れることで、夏バテになるリスクが高くなります。夏バテを防ぐためにも、1日3食バランスの整った食生活を送ることは欠かせません。

食事はよく噛んで、消化を促す

日々の忙しさからゆっくりと食事ができず、つい早食いになってしまうこともあるでしょう。しかし、体に疲労が溜まると、胃腸の働きが弱くなってしまうため、消化不良に陥ってしまいます。消化が悪いときに早食いをしてしまうと、より消化が遅くなり、胃腸の疲れが蓄積してしまいます。食事はできるだけよく噛むように意識して消化を促すように心がけると、胃腸の負担が軽減できます。

量よりも食事の質を優先

食欲がわかないことも、夏バテ症状のひとつです。無理に食事を摂ろうとするよりも食事の質を優先し、夏バテ予防に効果的な食べ物をバランスよく摂ることを心がけましょう。食が進まないときは、スパイスや大葉などの香味野菜をプラスすると食べやすくなります。また、柑橘系の酸味は消化液の分泌を促してくれる効果が期待できるので、消化不良にもおすすめです。

タンパク質をしっかり摂って、筋肉疲労を解消

胃腸が弱っていたり食欲がなかったりすると、麺類だけなど簡単な食事にしてメインのおかず(主菜)を食べないことがあります。しかし、メインのおかずにはタンパク質が豊富なことが多いので、夏バテ対策のためにも食べる必要があります。タンパク質には筋肉疲労を解消させたり、身体の持久力をアップさせたりする働きがあるため、不足すると疲れやすくなったり貧血気味になることがあります。

胃腸の働きを高めておいしく食べる力をつけて、高温多湿の日本の夏を上手に乗り切りましょう。
東京臨海病院管理栄養士 日本糖尿病療養指導士、NST専門療法士 青木淳子
提供元:和洋女子大学、株式会社ライフケアパートナーズ

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