【長生き応援シリーズ⑤】 高齢期に向けた「備え」のあれこれ

【長生き応援シリーズ⑤】 高齢期に向けた「備え」のあれこれ

"人生100年時代"と言われている現代、一人ひとりが安心して・自分らしく、より豊かに過ごすためには、誰もが関わる可能性のある認知症について正しい知識をもつとともに、明るく前向きに過ごすためのヒントを得ることが必要です。
今回は、高齢期に向けて事前に"備えておくべきこと"について、介護や住まいのことなどを考えていきたいと思います。

親の介護が必要になったら

人生100年時代を生きていくうえでは、若いときから様々なことに「備える」ことは必要です。その一つに「介護」のことがあります。介護を「する・される」ことは、経験しないとわからないことが多いだけに、その経験がない人にとっては不安がつきないところでしょう。日本生命が行ったアンケート調査結果をみると(図表1)、「とても不安」「やや不安」と回答された方が全体の65%を占めています。特に50代の方は、70%を超えています。介護に対して不安を持っている人が非常に多いことが確認できます。
図表1:将来の「介護」に対する不安意識(年代別・男女別)
 (905)

※「ご自身もしくは家族等の介護について不安を感じますか」に対する回答 n=13,086
資料:ニッセイ インターネットアンケート「介護」に関するアンケート調査結果(2019年度)
介護を「する」ことを考えると、いつ親に介護が必要となるのか、子どもとしては気が気でないところです。実際、介護を受けている人の年齢をみると、75歳以上が約8割(83.9%)を占めています(図表2参照)。年齢が全てではありませんが、親が75歳を超えたら、「いつかは」と心積もりしておくことが必要かもしれません。では、どうして介護が必要になるのか、そのきっかけを見てみると、図表3にあるとおり、全体では、「認知症」が最も多く(18.7%)、次いで、「脳血管疾患」(15.1%)、「高齢による衰弱」(13.8%)、「骨折・転倒」(12.5%)が多い状況となっています。男性では「脳血管疾患」(23.0%)、女性では「認知症」(20.5%)が最も多い原因です。「高齢による衰弱」など徐々に訪れるパターンは比較的心の準備をしやすいところがあるかもしれませんが、「脳血管疾患」や「骨折・転倒」など、"突然"必要となるパターンは家族にとって精神的なショックも大きく、対応も急がれます。できればあまり考えたくないことではありますが、いざ親の介護が必要になったときに、「どこで」「誰が」対応すべきか(できるか)、事前に家族内で相談するとともに、親の住む地域の介護施設や利用できる介護サービスなどの情報をあらかじめ知っておくことも大切です。これらは高齢期に向けた一つの備えと言えるでしょう。
図表2:要介護者等の年齢
 (909)

資料:厚生労働省「国民生活基礎調査(平成28年)」※熊本県を除いた数値
図表3:65歳以上の要介護者等の性別にみた介護が必要となった主な原因
 (911)

資料:厚生労働省「国民生活基礎調査(平成28年)」※熊本県を除いた数値

高齢期の暮らしの継続、自分らしい最期の実現に向けて

また他にも備えることはあります。一つは「住まい」の問題です。住居環境はマイホームを有している人から賃貸で暮らしている人まで様々ではありますが、例えば、階段のない高層階に住んでいた場合は、自分が高齢になって体力が低下してきたときに日常的な困難を伴ってきます。また、子どもが独立して空き部屋が増え、大きな家が不要になったということもよく聞く話です。サービス付高齢者向け住宅など、高齢者向けの住宅や施設も多様にあります。最適な住まいに"住み替え"ていくことを元気なうちから考えておくことも必要でしょう。
次に、「移動」という問題もあります。特に地方などで、公共交通機関が少なく自動車が日常生活に欠かせない人にとっては、自動車を手放す(免許を返納する)必要が生じた場合の対策を考えておかなければなりません。自由に移動できることは生活を営むうえで非常に大切なことです。様々な理由でそれができなくなったときにどうするか、利便性のよい所へ早い段階で住み替えることだったり、近年、高齢者の新たな移動手段として注目されている安心な乗り物「超小型電気自動車」(カートのような車)に乗り換えることなど、将来の移動手段の確保に向けてあらかじめ考えておくことも必要です。
最後に、「自分の意思や考えを家族などに残しておく」ことも大切な備えです。人生の終盤に必要になる話かもしれませんが、早い段階からその準備をしておくことに越したことはありません。認知症などによって、自分の意思を思うように家族などに伝えられないことがいずれ起こるかもしれません。終末期の医療措置のあり方だったり、葬儀の方法など、遺された人へ自分の意思を伝えることは大切です。例えば、近年普及している「エンディングノート」に記しておくなど、自分らしい最期を迎えるための備えも忘れないようにしてください。
以上、僅かな視点にはなりますが、高齢期の安心した暮らしを継続するために、また自分らしい最期を迎えるために、早い段階からの「備え」を行っていただくことをお勧めします。

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