認知症の方の睡眠トラブルの原因と対処法

認知症の方の睡眠トラブルの原因と対処法

認知症の方の睡眠障がいは、夜間に騒ぎ出すなどの睡眠トラブルの原因になる場合があり、周囲の方にも負担がかかります。この記事では、認知症の方に睡眠障がいが起こりやすい原因と睡眠トラブルの対処法について解説します。

認知症の方に睡眠障がいが起こりやすい原因

認知症の方に睡眠障がいが起こりやすいのは、以下のような「心身の変化や症状」などが原因と言われています。

●体内時計の機能低下
体内時計は、視床下部や松果体、自律神経、メラトニンなどが相互に作用することで適切に機能します。認知症の影響でこれらが適切に機能しなくなると、体内時計の機能も低下し、睡眠障がいを引き起こしやすくなります。

●見当識障がい
見当識障がいで時間や場所がわからなくなると、午前4時と午後4時を混同するなど昼夜を取り違えた行動を取るようになり、睡眠障がいを引き起こしやすくなります。

●夜間のせん妄
せん妄とは、幻覚や意識の混乱などが起こる状態です。脳機能が低下する夜間はせん妄が起こりやすく、睡眠障がいの原因になることがあります。

●不安・恐怖が蘇る
寝ようとしたときに、嫌な記憶が蘇ることはよくあることです。認知症の方は、その嫌な記憶を「今まさに起きていること」のように感じることで、眠れなくなる場合があります。

●痛みや不快感がある
認知症の方は、腹痛や便秘の不快感などを周囲に伝えられず、眠れなくなる場合があります。

●レム睡眠時行動障がい
レビー小体型認知症の方は、レム睡眠(浅い眠り)のときに大声を上げる、突然飛び起きるなどの行動を起こしやすいと言われています。

睡眠トラブルの対処法

認知症の方の睡眠トラブルの解消には、以下の対処法がおすすめです。

●日光を浴びる
午前中に日光を浴びると、日中の意識がはっきりしやすくなり、体内時計も整いやすくなります。

●規則正しい生活を送る
1日のスケジュールを立てる、デイサービスやデイケアを活用するなどして日中の活動量を増やすと、夜間に眠りやすくなります。

●就寝環境を整える
明かりを落とすなどして、眠りやすい環境に整えましょう。ただし、暗さに不安を覚える場合もあるので、明るさは本人の好みを聞きながら調整してください。

●不安を解消する
認知症の方は、さまざまなことに不安を覚えやすいです。不安そうな様子がみられたら、じっくり話を聞き、できる限り不安を取り除いてください。

●寝る前にトイレに連れていく
夜間失禁が心配で眠れなくなる場合があります。寝る前にトイレに連れていくようにすると、心配が和らぎやすくなります。

●服薬中の薬を確認する
薬の飲み忘れなどで睡眠サイクルが乱れる場合があります。指示どおりに服用しているか確認しましょう。

認知症の睡眠トラブルは、生活習慣の見直しや、本人の不安を取り除くことで解消できる場合があります。状況が変わらない場合は、早めに医療機関に相談しましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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