認知症のテスト・長谷川式認知症スケールとは

認知症のテスト・長谷川式認知症スケールとは

日時や場所を忘れてしまうことが増えてくると「もしかして認知症では…」と不安になるかもしれません。このようなときに目安となるのが「長谷川式認知症スケール」です。この記事では、長谷川式認知症スケールについて解説します。

長谷川式認知症スケールとは

「長谷川式認知症スケール」は、精神科医の長谷川和夫先生が1974年に開発した認知症のテストです。医療機関で利用されるほど信頼性が高く、医師でなくても実施できるため、広く普及しています。

認知症を発症する前に、多くの人が「軽度認知障がい」と呼ばれる段階があります。この段階で適切な処置を行えば、認知症への進行を抑えられたり、健康な状態に戻せる可能性があります。このため、長谷川式認知症スケールで現在の状態を知ることが大切です。

長谷川式認知症スケールの内容

長谷川式認知症スケールは、以下の9問から構成されます。テスト時間は約10〜15分で30点満点、得点が20点以下の場合は認知症の疑いが強くなります。

1. 年齢はいくつですか
正解1点、不正解0点

2. 今年は何年の何月何日、何曜日ですか
年・月・日・曜日それぞれ正解1点、不正解0点

3. 私たちが今いるところはどこですか
自発的に答えられれば2点、ヒントありで答えられれば1点、不正解0点

4. これから言う3つの言葉を言ってください。あとでまた聞きますので、よく覚えておいてください
「桜、猫、電車」または「梅、犬、自動車」のどちらか1問
言葉ごとに各正解1点、不正解0点

5. 100-7は? そこから更に7を引くと?
各正解1点、不正解0点。間違えたらその後は聞かない

6. これから言う数字を逆から言ってください
「6、8、2」と「3、5、2、9」の2問
各正解1点、不正解0点。最初で間違えたらその後は聞かない

7. 先ほど(4で)覚えた3つの言葉をもう一度言ってください
自発的に答えられれば2点、ヒントありで答えられれば1点、不正解0点

8. これから5つの品物を見せます。それを隠しますので、何があったか言ってください
各正解1点、不正解0点

9. 知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください
※途中で詰まって約10秒経ったら終了
正答数10個以上で5点、9個で4点、8個で3点、7個で2点、6個で1点。0〜5個の場合は0点

長谷川式認知症スケールの点数が低いからといって、必ずしも認知症と診断されるわけではありません。ただ、軽度認知障がいの可能性を否定できないため、専門知識や経験を持つ医師に診てもらうのが安心です。冒頭でも述べたように、軽度認知障がいの段階で気づくことができれば、状態がよくなる可能性があります。点数が低かったときこそ、医療機関で診てもらうことをおすすめします。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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