脳挫傷の症状と後遺症について

脳挫傷の症状と後遺症について

物忘れや性格の変化は、脳挫傷の後遺症でも起こる可能性があります。この記事では、脳挫傷の症状と後遺症について解説します。

脳挫傷の症状

脳挫傷とは、交通事故などで頭部に強い衝撃や圧力が加わり、脳に損傷が起こった状態です。衝撃で脳が揺さぶられたり、頭蓋骨に当たったりした際のダメージが原因になります。衝撃を受けた部位の近くに起こる脳挫傷を「直撃損傷」、衝撃を受けた部位とは反対側に起こる脳挫傷を「対側損傷」と言います。

脳挫傷では以下の症状が現れることがありますが、これらの症状は衝撃を受けた直後に起こるとは限らず、時間が経過してから発症する場合もあります。

・頭痛
・吐き気、おう吐
・けいれん発作
・会話ができない、言葉が出てこない
・意識が混乱する、もうろうとする、意識がなくなる
・しびれや麻痺が起こる
・手足が動かしにくい、動かせない

脳挫傷の後遺症

脳挫傷では、高次脳機能障がい(脳の損傷で注意力、判断力、思考力、記憶力などが低下し、生活に支障が出ている状態)などの後遺症が残るリスクがあり、主に以下の症状が現れると言われています。損傷の部位や程度によって後遺症の症状も異なるため、現れた症状に合わせて関節可動域訓練、筋力強化訓練、歩行訓練、発声訓練、嚥下訓練、生活訓練、社会訓練などのリハビリを行いながら回復を目指します。

・運動麻痺:手足が震える、動かしにくい 等
・感覚麻痺:感覚がない、鈍くなる、過敏になる、しびれる 等
・目の問題:視野が欠ける、見えにくくなる 等
・構音障がい:うまく話せない、ろれつが回らない 等
・嚥下障がい:食べ物や飲み物をうまく飲み込めない 等
・記憶障がい:すぐ忘れる、約束を守れない、新しいことを覚えられない、何度も同じ話をする 等
・注意障がい:集中できない、ミスが多い、2つのことを同時にできない 等
・遂行機能障がい:計画的な行動ができない、優先順位がつけられない 等
・社会的行動障がい:感情や欲求をコントロールできない、意欲がなくなる 等
・自己認識の低下:ご自身の状態を理解できない、他人のせいにする、リハビリや治療を否定する 等
・失行症:道具が使えない、動作ができない 等
・失認症:顔を判別できない、物の色や形がわからない 等
・失語症:聞いた言葉を理解できない、意図したことを話せない、意図した文字を書けない 等


脳挫傷は、軽い転倒や転落、スポーツでのトラブルなどが原因になる可能性もあります。自覚がないまま症状が進行していくこともあり、加齢による物忘れと間違われ受診が遅れる場合もあります。過去に頭をぶつけたことがある方、交通事故や転倒の経験がある方の行動や会話に変化が現れた際は、早めに医療機関を受診するように促しましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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