酢は、人類が作り出した最古の調味料です。紀元前5000年頃、お酒に酢酸菌が付着し発酵したことで、偶然に作られたのが始まりです。紀元前5~4世紀頃には、医学の父とよばれる古代ギリシャのヒポクラテスが、潰瘍や炎症をはじめ、様々な疾病の治療薬としてリンゴ酒酢を用いました。日本では、4~5世紀頃に中国から酢が伝えられ、江戸時代には庶民にも広く普及しました。そして、元禄時代に記された本草書「本朝食鑑」には、酢の薬効が紹介されています。このように、酢の薬効や健康への効果は古くから知られていますが、科学的に検証されたのは、ここ約30年の間です。今回は、酢の様々な機能について紹介します。
酢の機能
●殺菌作用
酢には強力な殺菌作用があります。調理器具や食器、キッチン周りなど、食品が触れる場所の洗浄や殺菌に洗剤・化学薬品を使いたくないとき、食酢は安全な殺菌剤として活用できます。同時に、水アカや石鹸カスの汚れも落とせます。
●減塩効果
酢には塩味を強める作用があります。酢を用いることで、減塩効果が期待できます。
●食後血糖値の上昇抑制作用
酢には、口から摂取した食品が胃中で留まる時間を延ばす作用があります。また、小腸での糖の吸収を抑えます。これらの効果が相まって、食後血糖値の上昇が穏やかになります。急激な血糖値の上昇は、肥満や糖尿病の原因の一つです。食事の際、5~6倍の水で希釈した酢をコップ1杯ほど習慣的に摂取すると、肥満予防効果や糖尿病予防効果が期待できます。
●血中エタノール濃度の上昇遅延作用
酢は、摂取した食物の胃内滞留時間を延ばすことで、飲酒時の血中エタノール濃度の上昇を穏やかにします。また、酢を使用したおつまみは、酒酔いを回りにくくします。
●鉄/カルシウムの吸収促進作用
酢は、豆類や緑黄色野菜などに含まれる鉄分(非ヘム鉄)やカルシウムを水に溶けやすい形に変換し、これらのミネラルの吸収を高めます。鉄やカルシウムを豊富に含む小松菜を酢で味付けるなど、総菜のメニューを工夫することで、貧血や骨粗しょう症の予防が期待できます。
●抗高血圧作用
減塩効果やカルシウムの吸収促進作用、および抗肥満効果など、酢の機能が複合的にはたらいて、高血圧を正常化すると考えられています。
上で紹介した酢の機能は、主成分である「酢酸」のはたらきによるものです。この他にも、多くの果実酢には「ポリフェノール類」が、黒酢やバルサミコ酢には「メラノイジン」が豊富に含まれています。これらの成分は、体の中で発生した活性酸素の除去に伴った抗老化や抗動脈硬化などの多様な機能を持ち、酢酸がもつ機能との相乗効果が期待できます。一方で、酢の過剰摂取は、歯を溶かしたり胃腸を荒らすなどの害にもつながります。飲用する際は、空腹時は避ける、適量を水で希釈する、食事と一緒に摂取するなど上手に工夫しながら、健康維持に役立てましょう。
酢には強力な殺菌作用があります。調理器具や食器、キッチン周りなど、食品が触れる場所の洗浄や殺菌に洗剤・化学薬品を使いたくないとき、食酢は安全な殺菌剤として活用できます。同時に、水アカや石鹸カスの汚れも落とせます。
●減塩効果
酢には塩味を強める作用があります。酢を用いることで、減塩効果が期待できます。
●食後血糖値の上昇抑制作用
酢には、口から摂取した食品が胃中で留まる時間を延ばす作用があります。また、小腸での糖の吸収を抑えます。これらの効果が相まって、食後血糖値の上昇が穏やかになります。急激な血糖値の上昇は、肥満や糖尿病の原因の一つです。食事の際、5~6倍の水で希釈した酢をコップ1杯ほど習慣的に摂取すると、肥満予防効果や糖尿病予防効果が期待できます。
●血中エタノール濃度の上昇遅延作用
酢は、摂取した食物の胃内滞留時間を延ばすことで、飲酒時の血中エタノール濃度の上昇を穏やかにします。また、酢を使用したおつまみは、酒酔いを回りにくくします。
●鉄/カルシウムの吸収促進作用
酢は、豆類や緑黄色野菜などに含まれる鉄分(非ヘム鉄)やカルシウムを水に溶けやすい形に変換し、これらのミネラルの吸収を高めます。鉄やカルシウムを豊富に含む小松菜を酢で味付けるなど、総菜のメニューを工夫することで、貧血や骨粗しょう症の予防が期待できます。
●抗高血圧作用
減塩効果やカルシウムの吸収促進作用、および抗肥満効果など、酢の機能が複合的にはたらいて、高血圧を正常化すると考えられています。
上で紹介した酢の機能は、主成分である「酢酸」のはたらきによるものです。この他にも、多くの果実酢には「ポリフェノール類」が、黒酢やバルサミコ酢には「メラノイジン」が豊富に含まれています。これらの成分は、体の中で発生した活性酸素の除去に伴った抗老化や抗動脈硬化などの多様な機能を持ち、酢酸がもつ機能との相乗効果が期待できます。一方で、酢の過剰摂取は、歯を溶かしたり胃腸を荒らすなどの害にもつながります。飲用する際は、空腹時は避ける、適量を水で希釈する、食事と一緒に摂取するなど上手に工夫しながら、健康維持に役立てましょう。
和洋女子大学家政学部健康栄養学科教授 博士(薬学) 鈴木敏和
提供元:和洋女子大学、株式会社ライフケアパートナーズ
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