脱水が脳梗塞を引き起こす理由と予防対策

脱水が脳梗塞を引き起こす理由と予防対策

脳梗塞の主な原因は生活習慣病ですが、水分不足が原因になる場合もあります。この記事では、脱水が脳梗塞を引き起こす理由と脱水が原因で起こる脳梗塞の予防対策について解説します。

脱水が脳梗塞を引き起こす理由

脳梗塞は、血栓等で脳の血管が詰まり、脳組織に酸素や栄養が行き渡らなくなることで発症します。脳梗塞には、脳や首の太い血管が詰まるアテローム血栓性脳梗塞、心臓内にできた血栓が脳の血管に運ばれて詰まる心原性脳塞栓症、高血圧等により脳の奥の細い血管が詰まるラクナ梗塞があり、アテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞は特に脱水の影響を受けやすいと言われています。

体内の水分が不足して脱水状態になると、血液中の水分量が減少することで血液の粘度が高くなり、血流が悪くなります。これは血栓ができやすく血管が詰まりやすい状態であり、脳梗塞のリスクも高い状態です。脳梗塞は血圧が上昇しやすい冬に起こりやすいと言われていますが、体内の水分が失われやすい夏は脱水による脳梗塞に注意が必要です。高血圧の方は脱水状態になると脳梗塞のリスクが更に高くなるため、特に注意しましょう。

脱水による脳梗塞の予防対策

脱水による脳梗塞の予防には、こまめな水分補給がおすすめです。水が体全体に浸透するには、口から飲んでから15分から20分程度かかると言われています。汗をかいていなくても体内の水分は失われるので、喉が渇いていなくても1時間から2時間おきにコップ1杯の水を飲むようにしてください。たくさん汗をかいたときは、電解質も補給できる経口補水液を飲むようにしましょう。

また、エアコンの風による乾燥や飲酒(利尿作用により水分が失われやすい)も脱水の原因になります。外出せず室内だけで過ごしている場合でもこまめな水分補給を心がけ、飲酒後に水を1杯から2杯飲む習慣をつけましょう。

●寝る前の水分補給も大切
睡眠中にはコップ1杯程度の汗をかくと言われていますが、気温が高い状況では発汗量はさらに多くなります。睡眠中は血圧が低下することで血液の流れが遅くなるため血栓ができやすく、起床する前後は血圧が上がり、アドレナリンが出て血液が固まりやすくなります。

夏は睡眠中から起床前後の時間帯に脳梗塞の発症のリスクが高くなると言われているので、寝る前と朝起きた後に水を1杯ずつ飲むようにしましょう。また、枕元に水を置く等していつでも水を飲めるようにしておき、トイレに立った際は少しだけでもかまわないので水分を補給するようにしてください。


脱水による脳梗塞は、高齢者の方だけでなく比較的若い世代の方も発症する可能性があります。唇や口内が乾燥している、体がだるい、熱っぽい、動悸や息切れがする等の変化は脱水の兆候かもしれませんので、すぐに水分補給(可能であれば経口補水液の補給)をしてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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