脂質異常症の合併症について

脂質異常症の合併症について

脂質異常症は、血液中の脂質量が異常に多くなったり、少なくなったりする状態です。脂質異常症は動脈硬化のリスク要因であり、様々な合併症の原因になります。この記事では、脂質異常症の合併症について解説します。

心筋梗塞・脳梗塞

脂質異常症で血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が多くなると、血管壁に付着する脂質の量が増え、動脈硬化が進行しやすくなります。動脈硬化が進行すると、血管が狭くなることで血液が流れにくくなったり、血栓により血管が詰まりやすくなったりすることで、心筋梗塞・脳梗塞のリスクが高まります。梗塞とは、血管が詰まる・塞がる等し、組織に壊死が起こっている状態です。梗塞が起こると、詰まった部位から先の血流が途絶え、血液が供給されなくなった細胞は機能しなくなります。梗塞が起こった部位により疾患の種類が変わり、心臓の血管が詰まった際は心筋梗塞、脳の血管が詰まった際は脳梗塞を発症します。

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症とは、手足の動脈に動脈硬化が起こり、血管(動脈)が狭くなることで発症する疾患です。組織に供給される血液量が少なくなることで、手足の痺れ・冷え・皮膚が青白くなる等の症状が現れます。また、一定の距離を歩くと、歩けなくなる程ふくらはぎが痛くなる・痺れる・疲労感が生じる等の症状が現れるが、しばらく休息すると症状が治まり、再度一定の距離を歩くと再発する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という状態に陥る可能性もあります。なお、血液が供給されている状態では症状等が現れていても手足の機能は保たれますが、血流が供給できない状態になるまで進行すると、組織が壊死する可能性があります。

急性膵炎(きゅうせいすいえん)

膵臓は、脂質・たんぱく質・炭水化物を分解する消化酵素を分泌する働きがある臓器です。脂質異常症は、急性膵炎を引き起こす可能性があります。急性膵炎とは、膵臓の消化酵素が必要以上に分泌されることで、膵臓自身を消化してしまう疾患です。急性膵炎が重症化すると、命に危険が及ぶ可能性があります。

脂肪肝

肝臓には、エネルギーを貯蔵するため脂肪を蓄える働きがあります。脂肪肝とは、脂肪を過剰に蓄えることで肝臓の脂肪量が増え、全肝細胞の30%以上を脂肪が占めるようになった状態のことです。脂肪肝に自覚症状はほとんどなく、放置したまま進行すると、肝炎・肝硬変・肝臓がん等を引き起こす可能性があります。


脂質異常症の合併症リスクを下げるには、適切な治療を続けることが大切です。処方された薬を指示どおりに服用し、食生活・運動習慣等について医療機関から指導された場合は、必ず守ってください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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