健康寿命を延ばすためにできること

健康寿命を延ばすためにできること

日本人の平均寿命は男女とも80歳を超えていますが、最近はただ長生きするだけではなく、「健康な状態を保ち、自立して長生きしたい」という考え方が広がっています。この考え方の実現に必要なものが「健康寿命」です。この記事では、健康寿命について解説します。

健康寿命とは

健康寿命とは、WHO(世界保健機関)が2000年に提唱した「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことで、医療や介護の介入がなくても自分で日常生活を送れる期間のことを指します。

健康寿命に対して「平均寿命」という言葉が使われることがありますが、平均寿命は「生まれてから亡くなるまでの期間」を意味する「寿命の平均値」のことです。早くに亡くなられた方や認知症などで長く療養して亡くなられた方、特に大きな病気もなく亡くなるまで活動的に過ごした方など、あらゆる方の寿命の平均値になります。

健康寿命は「自立した日常生活を過ごせる期間」を示すため、認知症などで介護が必要な状態で長生きした場合は、寿命は延びますが健康寿命は延びません。

健康寿命を延ばすために

健康寿命が短ければ、寿命が長くても介護や医療の介入が必要な期間が長くなります。このような状態は、個人の生活の質を低下させたり、家族など周囲の方の負担が増えたりすることにもつながります。

健康寿命を延ばすために、以下のポイントを意識して過ごしましょう。

●食生活
・主食、主菜、副菜のバランスを整える
・不足しがちなビタミンや食物繊維を補うため、野菜や果物を積極的に食べる
・塩分の摂りすぎに注意する
・厚生労働省が推奨する「節度ある飲酒(ビール中瓶1本、日本酒1合程度)」を守る

●運動
・18歳〜64歳は、「歩行と同等以上の身体活動(犬の散歩や掃除以上の負荷の活動)」を毎日60分行い、「息が弾み汗をかく程度の運動」を毎週60分行うことを目指す
・65歳以上は、運動の強度に関わらず、毎日40分程度の身体活動を行うことを目標にする

●生活習慣
・十分な睡眠や休養をとる
・禁煙する
・毎日の歯磨きと定期的な歯石除去で、歯周病を予防する

健康寿命を延ばすためには、生活習慣病予防と同じく、健康的な生活習慣を維持することが大切です。まずは無理なくできることから取り組み始め、少しずつ変えていきましょう。また、近年では歯周病と全身の疾患との関連性も示唆されています。自分の歯を守るためにも、健康寿命を伸ばすためにも、口腔ケアを心がけてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生21-4465,商品開発G

関連記事

  • 微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症とは、心臓弁膜症等の疾患が認められず、直径100μm(マイクロメートル)以下の微小な冠動脈(かんどうみゃく)が充分に拡張しなかったり、著しく収縮したりすることで起こる狭心症です。この記事では、微小血管狭心症の特徴と治療について解説します。

  • 糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病の方は皮膚トラブルが起こりやすく、皮膚トラブルが悪化すると壊疽(えそ:皮膚・皮下組織等が壊死し、黒く変色した状態)等に進行し、日常生活に支障を来す可能性があります。この記事では、糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて解説します。

  • 直腸がんの症状と予防対策

    直腸がんの症状と予防対策

    直腸は大腸の一部であり、15cmから20cm程度の長さがあります。上部から直腸S状部・上部直腸・下部直腸に分けられ、上部でS状結腸からつながり下部で肛門へとつながります。この記事では、直腸がんの症状と予防対策について解説します。