骨盤底筋の働きと骨盤底筋体操のやり方

骨盤底筋の働きと骨盤底筋体操のやり方

尿漏れ・尿失禁には様々な原因がありますが、骨盤底筋の筋力低下が原因で起こる場合があります。この記事では、骨盤底筋の働きと骨盤底筋を鍛えるトレーニング「骨盤底筋体操」のやり方について解説します。

骨盤底筋の働き

骨盤底筋とは、骨盤の底部(足側)に位置している複数の筋肉からなる筋肉群であり、骨盤底筋群とも呼ばれています。骨盤底筋の主な働きは以下のとおりです。

・膀胱・子宮・直腸等の骨盤内臓を支え、位置を保つ
・尿道口・肛門を締める・緩める等して、排尿・排便をコントロールする
・体幹を安定させ、姿勢を整える

骨盤底筋の筋力低下は、加齢・肥満・運動不足・出産等が主な原因であり、男性よりも女性の方が低下しやすいと言われています。骨盤底筋の筋力が低下すると、咳・くしゃみ・重い物を持つ際等、腹圧が少しかかっただけでも尿が出てしまう「腹圧性尿失禁」が起こりやすくなります。腹圧性尿失禁は、40代以降の女性によく見られる尿漏れ・尿失禁であり、骨盤底筋を鍛えることで緩和する可能性があります。

骨盤底筋体操のやり方

この体操は、1940年代に米国の産婦人科医が考案したトレーニングであり、仰向け・座位・立位等、ご自身のやりやすい姿勢・やりやすい環境で取り組むことができます。10回を1セットとし、1日3セットから5セットを目安に行いましょう。

●仰向け
1.両膝を軽く曲げた状態で仰向けになり、足を肩幅に開く
2.深呼吸をしてリラックスし、自然な呼吸に戻す
3.排尿・排便を我慢するイメージで、尿道・肛門・膣をキュッと締める
4.尿道・肛門・腟を締めた状態で10秒キープ
5.力を抜き10秒休んだ後、3.から5.の動作を繰り返す

●座位
1.姿勢が安定しやすい椅子に座る・壁に寄り掛かった状態で座る等、リラックスできる状態で座る(座り方はご自身がリラックスできる状態で構わない)
2.深呼吸をしてリラックスし、自然な呼吸に戻す
3.排尿・排便を我慢するイメージで、尿道・肛門・膣をキュッと締める
4.尿道・肛門・腟を締めた状態で10秒キープ
5.力を抜き10秒休んだ後、3.から5.の動作を繰り返す

●立位
1.壁・机に寄り掛かる等、リラックスできる状態で立つ(肩幅程度に足を開くことが一般的だが、ご自身がリラックスできる広さで構わない)
2.深呼吸をしてリラックスし、自然な呼吸に戻す
3.排尿・排便を我慢するイメージで、尿道・肛門・膣をキュッと締める
4.尿道・肛門・腟を締めた状態で10秒キープ
5.力を抜き10秒休んだ後、3.から5.の動作を繰り返す


骨盤底筋体操は、骨盤底筋が原因の尿漏れ・尿失禁の緩和におすすめのトレーニングですが、体操で緩和しない尿漏れ・尿失禁や悪化する尿漏れ・尿失禁もあります。尿漏れ・尿失禁が気になる方は、安易にセルフケアを行うのではなく、まずは医療機関を受診しましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生22-5449,商品開発G

関連記事

  • 脳梗塞による麻痺(まひ)のリハビリテーション

    脳梗塞による麻痺(まひ)のリハビリテーション

    脳梗塞で麻痺を起こすと、寝たきりになることでうつ症状・認知症等を発症する可能性があります。この記事では、脳梗塞による麻痺(まひ)のリハビリテーション(リハビリ)について解説します。

  • 転移性肝がんについて

    転移性肝がんについて

    肝がん【肝臓に発生するがん】には、原発性肝がん【肝臓の細胞が悪性腫瘍(がん)化して生じるがん】と転移性肝がん【他部位・他臓器で発生したがん細胞が肝臓に転移し発生するがん】があり、転移性肝がんは原発性肝がんよりも発症数が多いと言われています。この記事では、転移性肝がんについて解説します。

  • 腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について

    腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について

    腎臓に発生する腫瘍が良性であることは少なく、ほとんどが悪性腫瘍(がん)であると言われています。腎臓に発生するがんは種類により症状が異なり、発生しても症状が現れない可能性があります。この記事では、腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について解説します。