更年期に物忘れが増える原因と対処法

更年期に物忘れが増える原因と対処法

物忘れが増えたり、イライラしやすくなったりする変化は、ストレスによる症状とも考えられますが、更年期にも同様の症状が起こる可能性があります。この記事では、更年期に物忘れが増える原因と対処法について解説します。

更年期障がいとは

更年期障がいとは、ホルモンバランスの変化により身体的、精神的な症状が現れることです。男女で症状等の違いはありますが、のぼせやほてり、発汗、耳鳴り、頭痛、めまい、イライラ、物忘れ、うつ、不眠など、共通する症状もあります。

更年期に物忘れが増える原因

女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」は、脳内でアセチルコリンと同様の働きをすると言われています。アセチルコリンとは、記憶や認知などを司る脳の海馬に作用する神経伝達物質です。エストロゲンはアセチルコリンと同じく脳血管を拡張して脳の血液循環を促す作用があり、そのことが記憶力や集中力にも影響すると考えられています。

また、脳のシナプス伝達能力(ある神経細胞から次の神経細胞に情報を伝達する能力)は加齢に伴い低下するため、更年期を迎える年齢になると記憶力や集中力が低下しやすくなります。このことも、更年期に物忘れが増えたと感じる原因になります。なお、男性ホルモンのひとつ「テストステロン」にも認知機能の維持作用があるとされており、男性の更年期障がいでも認知機能の低下による物忘れが起こる可能性があります。

更年期に起こる物忘れの対処法

更年期に起こる物忘れは、以下の対策である程度予防・緩和できる可能性があります。

●ストレスを溜め込まない
仕事や家庭などのトラブル、人間関係の悩みなどで心身に負担がかかると、脳が疲弊して物忘れが増えやすくなると言われています。また、ストレスは更年期障がいの症状を悪化させる要因にもなります。しっかりと休む、適度に運動をする、趣味の時間を持つなどして、ストレスをこまめに解消しましょう。

●DHA・EPAを摂取する
DHA(ドコサヘキサエン酸)や EPA(エイコサペンタエン酸)などのn-3系脂肪酸には、脳のシナプス伝達能力の機能低下を防ぐ作用があると言われています。サバ、イワシ、サンマなどの青魚は、DHAやEPAが豊富です。

●物忘れ防止のトレーニングをする
就寝前にその日の行動を順に思い出す、忘れたくないことをイメージ化して覚えるなど、物忘れ防止のトレーニングをすることで、物忘れの頻度をある程度抑えられます。


天候や気圧の変化、ストレス、不健康な生活なども更年期障がいの症状を悪化させる原因になります。予防のためには規則正しい健康的な生活を送ることが大切ですが、症状を抑える治療が役立つこともあります。うまく付き合っていくことが大切ですので、医療機関と相談しながら、ご自身に合う対策を取りましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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