認知症予防におすすめの趣味 ~運動・スポーツ編 ~

認知症予防におすすめの趣味 ~運動・スポーツ編 ~

認知症予防に効果的とされる趣味には様々なものがありますが、その代表的なものが「運動」です。「定期的な運動習慣のある人は脳の認知機能が低下しにくい」ということが、様々な研究によって明らかになっています。
そこで今回は、趣味を兼ねて認知症予防につながる運動をいくつかご紹介していきます。

「体を動かす趣味」の人は認知症になりにくい!?

国内で2003~2006年の間に行われた、愛知県の65歳以上(要介護状態ではない)の住民9,720名を対象にした調査によると、「散歩・ジョギング・グランドゴルフなどのスポーツや、園芸・庭いじりなどの身体的活動をしていない高齢者は、認知症リスクが2倍高い」ということが明らかになりました。

「高齢者が趣味を持つことは認知症予防に役立つ」ことが明らかになってきていますが、趣味活動を介して認知症予防をするときは、スポーツや庭いじりなどでこまめに体を動かす趣味が好ましい可能性があることが、この統計から読み取れます。

認知症予防におすすめの趣味:①ウォーキング

認知症予防のためには、適度な運動で生活習慣病を防ぎ、脳への血流を改善させる「生理的アプローチ」、そして社会との交流で脳を刺激する「認知的アプローチ」が欠かせないと考えられています。

この両面を取り入れた運動が「ウォーキング」です。誰かとおしゃべりしながら散歩をしたり、街へ買い物に出かけたり、旅行に行ったり、観光スポットを巡ったりすることで脳と体の健康維持が期待できます。
最近流行りの「謎解き」も、高齢者向けのイベントがあるようですので、チャレンジしてみても良いかもしれません。

歩くスピードは普段の歩き方でもOKですが、息が弾み、うっすら汗をかく程度の速さで歩くと、より認知症予防効果が高まります。

認知症予防におすすめの趣味:②サッカー

サッカーは運動だけでなく交流の機会にもつながる、認知症予防にオススメの趣味です。

サッカーは、常に相手の動きを予測しながら行動する必要があるため、戦略を立てる思考力や判断力が必要です。サッカーは脳トレにつながりやすい運動といえるでしょう。

また、目でボールを追うことで動体視力が鍛えられますので、加齢で起こりやすい「視力や視野の衰え」や「反応速度の衰え」の予防にもなります。
お互いに声をかけながらボールを交換し合うだけでも、反射神経や運動神経は十分鍛えられるので、ケガにはくれぐれも気をつけてください。

認知症予防におすすめの趣味:③ゴルフ

サッカーと同様に、認知症予防におすすめのスポーツが「ゴルフ」です。
国立長寿医療研究センターが2016年、習慣的にゴルフをしていない65歳以上の106名を対象に記憶力の検査を半年間実施したところ、「ゴルフ教室に参加したグループは、参加前よりも単語の記憶力が6.8%、論理的記憶能力が11.2%向上した」という結果が得られました。

ゴルフは風向きやピンまでの距離を考えながら戦略的にプレーをする必要があるため、脳への刺激になり、記憶力や認知機能の維持につながることが期待できます。

認知症予防におすすめの趣味:④卓球

卓球はサッカーなどと比べて負荷が軽い運動です。体に大きな負担をかけることなく、筋力の増加や生活習慣病・認知症予防効果が期待できるでしょう。対戦相手と勝ち負けを競ったり、ダブルスで仲間とコミュニケーションを取ったりすることで、脳が活性化し、交流できる仲間も増えます。

地域の自治体でも高齢者向けの卓球サークルがあるところは多いので、軽い運動をしつつ交流の機会を増やしたいという方は、新たな趣味として検討してみてもいいかもしれません。

おわりに:スポーツは体も脳も鍛えられる趣味。楽しく交流しながら認知症を予防しよう!

趣味に、体を動かす習慣としておすすめの運動をいくつかご紹介してみましたが、実践してみたいものはあったでしょうか?認知症予防を目的にするのであれば、一人ではなく複数の人と交流する運動の方が脳が活性化しやすく、また楽しみも得やすいので、新たな運動習慣を身につけたいという方はぜひ参考にしてください。

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