【仕事と介護の両立支援】 状態が変わっていないのに「要支援」!?

【仕事と介護の両立支援】 状態が変わっていないのに「要支援」!?

介護保険における認定結果が、予想よりも低いことがあります。この記事では、要介護認定の結果に納得できないときの注意点について解説します。

状態が変わっていないのに「要支援」!?

介護保険における要介護認定の結果が、予想よりも低くて慌てることがあります。
要因の1つは、訪問調査の時に実情を伝えきれないこと。
Dさん(50代)も別居の母親の認定結果が低く出て困っていました。更新により「要介護1」から「要支援2」に。
「元気になって低くなったのなら嬉しいですが、状態は変わっていません」とDさん。詳しい状況は分かりませんが、介護保険で利用できるサービスの上限は認定結果によって決まるので、生活への影響大。しかも、要支援になると、ケアプランを立ててもらう等、日頃お世話になっているケアマネジャーが変わることになってしまいます。
「母親は、いまのケアマネジャーさんを信頼しているのに……」と、Dさんは、窓口が変更になることにも戸惑っています。
認定結果に不満がある場合は、介護保険審査会に「不服申し立て」をする方法と、「区分変更」の申請をする方法の2種類があります。役所の窓口で相談すると前者を勧められることがありますが、時間がかかるので、お勧めは後者です。「区分変更」とは、認定後心身の状態が変わった場合に、次の更新を待たず、訪問調査を受け、新たな要介護度を出してもらうもの。主治医にももう一度意見書を書いてもらう必要があるので、要介護度が下がってしまったことを伝えましょう。医師の意見書の影響力は小さくありません。
Dさんは担当のケアマネジャーと主治医に相談し、万全を期してやり直しの認定調査に付き添いました。
結果、「要介護1」に戻ったそうです。「ほっとしました」と安堵の表情を浮かべていました。
◆「区分変更」での注意点◆
○本人に、「訪問調査では、遠慮せず、ありのままを話すように」と言っておく。
○本人の様子をよく知る家族が調査に同席して、本来の様子を伝える。
 (ただし、本人のプライドを傷つけないよう、本人のいないところで伝えるなどの配慮を)
○特に困っていることを整理してメモ書きし、調査員に正確に伝える。
 (認知症の影響などで)「焦がした鍋」などがあれば、写真に撮って見せる。
○意見書を書いてくれる医師には、要介護度が下がってしまったことを伝えておく。
提供元:介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子

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