認知機能を検査するテストについて

認知機能を検査するテストについて

認知症かどうかを診断するテストとして、代表的な2つのテストがあります。この記事では、このテストをご紹介するとともに、運転免許を持つ75歳以上の方が受ける認知機能検査もあわせて解説します。

代表的な認知症のテスト

代表的な認知症のテストとして、「改訂・長谷川式簡易認知評価スケール」と「ミニ・メンタル・ステート検査」があります。

●改訂・長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
知名度が高い認知症のテストです。質問は全9問、30点満点で採点され、20点以下だと認知症の可能性があると判定されます。ただし、レビー小体型認知症の方の場合、このテストでは高得点が出やすいため、このテストだけで認知症かどうかを判定できるとは限りません。

●ミニ・メンタル・ステート検査(MMSE)
国際的な認知症のテストです。長谷川式より複雑な質問が出され、11項目、30点満点で採点されます。22~26点の場合は軽い認知症、21点以下の場合は認知症の可能性が高いと診断されます。

運転免許更新時の認知機能検査

認知機能検査は、運転に必要とされる記憶力や判断力を3つの項目で確認する検査です。75歳以上の運転者に対して、免許更新時や特定の違反をした際に行われます。検査は教習所などで行われ、その場で、もしくは後日書面で結果を受け取ることができます。

高齢化によって高齢者による事故が増加しており、その背景に認知症が隠れているケースも少なくないと言われています。また、本人に自覚がなくても、注意力・判断力が低下していることもあります。認知機能検査で高齢者の状況を判断することで、その後の運転生活を適切にサポートすることができます。

検査は以下の3つに分かれており、説明から検査終了までに30分ほどかかります。

1. 時間の見当識(約3分)
検査当日の日時を解答用紙に記載することで、現在自分が置かれている状況を正しく認識できているかを確認します。
2. 手がかり再生(約14分)
短期記憶を引き出す力を確認する検査で、点数配分の6割を占める重要なものです。いったん絵を覚えたあと、しばらく別のテストを受けた後に覚えた絵を思い出します。
3. 時計描写(約2分)
空間認識能力、構成能力、数の概念の理解などを確認します。大きな円を描いて、その中に1~12の数字を書き込んだあと、試験官が指示した時間になるよう時計の針を書き込みます。

認知機能を検査するテストに、認知症かどうかを調べる「改訂・長谷川式簡易認知評価スケール」と「ミニ・メンタル・ステート検査」があります。また、75歳以上になると、運転免許更新時や特定の違反をしたときに認知機能検査を受ける必要があります。認知機能検査は警察庁のWebサイトに詳細が載っているので、事前に確認してみてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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