認知症は進行するにつれ、一人で食事をとることが少しずつに難しくなっていきます。介助するご家族側は「食事をとってもらえるような工夫」が必要になってくるでしょう。そこで今回は、認知症の方への食事介助のコツについてお伝えしていきます。
認知症になったときに起こる食事の問題点
普段私たちは、健康を維持するために栄養バランスを考慮したり、色々な献立や会食を楽しんだりしながら、必要なカロリーを食事で摂取しています。しかし、認知症になると認知機能が低下することで「食事に関する問題点」が増えてきて「生命を維持するための食事」「生活を豊かにするための食事」の達成が難しくなっていきます。
例えば、以下のような「問題点」に直面しやすくなります。
食事を食べなくなる(拒否する)
食事量が減る
好きなものしか食べなくなる
何度も食事を要求する
食事以外のものを食べようとする
食べ方がわからなくなる
調理がうまくできなくなる
買い物ができなくなる
会話がスムーズにできなくなる
こうした問題点に直面すると、必要な栄養やカロリーの摂取ができずに衰弱し、健康を害することになってしまい、楽しく調理や食事をとれないことで生活を豊かにすることも難しくなっていきます。
また、認知症の方は食べ物が飲み込みづらくなる「嚥下障がい」を抱えていることもあります。嚥下障がいとは「うまく食べ物が飲み込めなくなってしまうこと」で、本来食道に入るべき食べ物が気管に入り込んでしまう「誤嚥」を引き起こします。誤嚥が原因になる「誤嚥性肺炎」は、高齢者の死因として代表的なものです。
以上で挙げた問題を避けるために、正しい食事介助がとても大切になります。
例えば、以下のような「問題点」に直面しやすくなります。
食事を食べなくなる(拒否する)
食事量が減る
好きなものしか食べなくなる
何度も食事を要求する
食事以外のものを食べようとする
食べ方がわからなくなる
調理がうまくできなくなる
買い物ができなくなる
会話がスムーズにできなくなる
こうした問題点に直面すると、必要な栄養やカロリーの摂取ができずに衰弱し、健康を害することになってしまい、楽しく調理や食事をとれないことで生活を豊かにすることも難しくなっていきます。
また、認知症の方は食べ物が飲み込みづらくなる「嚥下障がい」を抱えていることもあります。嚥下障がいとは「うまく食べ物が飲み込めなくなってしまうこと」で、本来食道に入るべき食べ物が気管に入り込んでしまう「誤嚥」を引き起こします。誤嚥が原因になる「誤嚥性肺炎」は、高齢者の死因として代表的なものです。
以上で挙げた問題を避けるために、正しい食事介助がとても大切になります。
認知症の方への食事介助のポイントは?
認知症の方の食事介助は「栄養バランスと適切なカロリー摂取によって、病気を予防し、健康を維持する」「ご本人の気持ちに寄り添いながら、おいしく楽しく食事がとれるようにサポートする」という2つがポイントになってきます。
認知症になったとしても、穏やかに安心しながらいきいきと食事ができることで、ご本人の生活の質(QOL)は上がります。
食事介助をする際は、以下のポイントに注意してみましょう。
認知症になったとしても、穏やかに安心しながらいきいきと食事ができることで、ご本人の生活の質(QOL)は上がります。
食事介助をする際は、以下のポイントに注意してみましょう。
食べやすく、バランスの良い食事にする
人間の健康維持には、魚や肉、卵、豆類などのタンパク質、野菜や海藻類、果物、乳製品、水分、炭水化物など、バランスのとれた食生活の提供が欠かせません。
高齢者や認知症の方はむせやすいので、食べやすいようにやわらかく煮てあげたり、1口で食べられる大きさに切り分けたりするなど工夫が必要です。なお、食べるペースには個人差があるので、急かすことなく、寄り添うように声掛けをしながらその方のリズムに合わせましょう。
高齢者や認知症の方はむせやすいので、食べやすいようにやわらかく煮てあげたり、1口で食べられる大きさに切り分けたりするなど工夫が必要です。なお、食べるペースには個人差があるので、急かすことなく、寄り添うように声掛けをしながらその方のリズムに合わせましょう。
盛り付けや香り付けなどの工夫をする
食事の見た目が良くなかったり、美味しそうな匂いがしなかったりすると、食欲をそそられないので食べる気がなくなり「食事の拒否」につながることがあります。おいしそうに思えるよう、盛り付けや香りのいい食事になるよう工夫しましょう。例えば、白いご飯を嫌がるようであれば、ふりかけをかけてあげるといいかもしれません。
食器や食事用具、食事量を工夫する
一品の量が多すぎるように見えたり、食器の数が多すぎたりすると、混乱して食事がとれなくなる方もいます。ご本人が落ち着いて食事に手をつけられるように、「小出しにして食べきれる量にする」「ワンプレートに乗せる」などの工夫をしてみましょう。
また、できるだけ自分で食べてもらえるようにするために、はしやスプーンなどを持ちやすいものにすることも大切です。障がいの程度に合った、軽くて持ちやすいものを用意しましょう。
また、できるだけ自分で食べてもらえるようにするために、はしやスプーンなどを持ちやすいものにすることも大切です。障がいの程度に合った、軽くて持ちやすいものを用意しましょう。
声掛けをする
食事に手をつけようとしない場合、認知症の方がそれを食べ物だと認識できていない(失認)可能性があります。「温かいお茶漬けだよ」などと声を掛けたり、一緒に食べる姿を見せてあげることで、食べ物だと認識して食べ始めるようになるかもしれません。
好きな食べ物を入れる
好きなものがお皿に乗っていれば、食べようとする意欲はかなり上がります。「今日は●●(好きな食べ物)が献立に入っているよ」などと声掛けをしてみてもいいでしょう。
心地よく食事がとれる環境に変える
食事をする空間が騒がしく落ち着けない環境だったり、一人ぼっちで食欲がわかなかったりすると、食事量が減ったり、食事拒否につながることがあります。
人と会話しながら食べることが好きな方もいれば、一人で食事をするのが好きな方、外の景色を眺めながら食事をとるのが好きな方もいるので、ご本人に「どんなところで食事を食べたい?」と尋ね、それに近い環境を整えてあげましょう。
人と会話しながら食べることが好きな方もいれば、一人で食事をするのが好きな方、外の景色を眺めながら食事をとるのが好きな方もいるので、ご本人に「どんなところで食事を食べたい?」と尋ね、それに近い環境を整えてあげましょう。
食事の姿勢に注意する
上体が起こせる場合は、背中にクッションを置くなどして上体を支え、できるだけ座位で食事がとれるようにしましょう。むせたり誤嚥しないようにするために、頭と肩は少し前かがみにして、あごは下に引きぎみにして胸につけるようにしましょう。
おわりに:食事がとれない原因に寄り添って、食事を楽しんでもらおう
認知症の方が食事をうまくとれなくなる原因はいくつかありますが、その原因に沿った食事介助をしてあげることで解決できることもあります。普段からどんな食べ物が好きか、どんなふうに食事をとりたいかなどと声を掛け、心地よく食事をとれるように工夫していきましょう。
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