高齢者の寝たきりや認知症を予防するには、日頃から運動習慣を取り入れることが重要です。ウォーキングなどの有酸素運動と同じくらい大切なのが「筋トレ」です。
今回は、高齢者が筋トレに励むことのメリットや、高齢者でも簡単にできる筋トレをご紹介していきます。
今回は、高齢者が筋トレに励むことのメリットや、高齢者でも簡単にできる筋トレをご紹介していきます。
高齢者が筋トレするとどんなメリットがある?
筋トレはスポーツ時のパフォーマンスアップや美容的なメリットがあるのはもちろんですが、高齢者にとっても以下のように様々なメリットがあります。
筋力を増やして、転倒を予防
筋トレで筋力が増強すると、姿勢を保つ能力が向上します。スムーズに歩けるようになり、バランスを崩したときにとっさに手が出やすくなることで、転倒のリスクを下げることができます。
基礎代謝が向上し、血流が改善
筋トレによって筋肉量が増大すると、体を動かすのに必要なエネルギー量が増えるため、基礎代謝が上がり、血流の改善が期待できます。
寝たきりの予防
筋肉は加齢とともに衰える傾向にあり、それを放置していると、要介護状態の手前の「フレイル(虚弱状態)」、「ロコモティブシンドローム(筋肉などの衰えが原因で、立つ・歩くといった機能が低下した状態)」につながります。
これらは寝たきりに直結する状態ですが、日頃から筋トレをし、筋力を維持・向上させることで予防できると考えられています。
これらは寝たきりに直結する状態ですが、日頃から筋トレをし、筋力を維持・向上させることで予防できると考えられています。
認知症の予防
適切な強さの筋トレを続けると感覚神経のつながりがよくなり、次第に痛みや疲労を感じるようになりますが、それに合わせて脳に刺激が伝わり、認知機能が向上するとも考えられています。
認知症予備軍である軽度認知障害の人を対象に、筋トレなどの運動を週に1回・3ヵ月続けたところ、記憶力のスコアがかなり改善した、という報告も得られています。
認知症予備軍である軽度認知障害の人を対象に、筋トレなどの運動を週に1回・3ヵ月続けたところ、記憶力のスコアがかなり改善した、という報告も得られています。
腰痛や膝の痛みの予防
筋トレによって筋肉量が増えると関節への負担が減り、腰痛や膝の痛みが軽減しやすくなります。
高齢者におすすめの筋トレは?
筋トレが高齢者の健康維持に役立つことはわかったと思いますが、高齢者が若い時と同じように運動すると、体を痛めてしまう恐れがあります。
ここからは、高齢者に無理な負担がかかりにくい、おすすめの筋トレをお伝えしていきます。
ここからは、高齢者に無理な負担がかかりにくい、おすすめの筋トレをお伝えしていきます。
ふくらはぎの筋トレ
歩行機能を維持する上で、ふくらはぎの筋トレは欠かせません。少し負荷の高い運動ですが、健康で立ったまま運動できる高齢者の方はぜひトライしてみてください。
1.足の親指と人差し指に重心を置き、まっすぐ立つ。
2.そのままの状態でかかとをゆっくり上下させる(ふくらはぎの筋肉を意識しながら)。
3.これを20回行う。
1.足の親指と人差し指に重心を置き、まっすぐ立つ。
2.そのままの状態でかかとをゆっくり上下させる(ふくらはぎの筋肉を意識しながら)。
3.これを20回行う。
お尻の筋トレ
大臀筋(お尻の筋肉)や、これを補佐するハムストリングスを鍛える筋トレです。大臀筋の筋力向上だけでなく、腰痛予防も期待できます。
1.仰向けに寝転がって、両手はお腹の上に乗せ、両膝を立てる。
2.そのまま腹筋に力を入れてお尻を持ち上げ、6秒間維持する。
3.これを何度か繰り返す。
1.仰向けに寝転がって、両手はお腹の上に乗せ、両膝を立てる。
2.そのまま腹筋に力を入れてお尻を持ち上げ、6秒間維持する。
3.これを何度か繰り返す。
腕の筋トレ
腕力が衰えると、「買い物袋を長時間持てない」など日常生活で困る場面が増えてきます。ペットボトルや壁を使った筋トレで対策しましょう。
ペットボトルで筋トレ
1.両手それぞれに1本ずつ、500〜1000mlの水を入れたペットボトルを持ち(胴部分が水平
方向になるようにつかむ)、両腕を手の甲を上にして前方向に伸ばす(負荷はペットボトルの大きさや水の量で調整する)。
2.肘を曲げたり腕の位置を変えないようにしながら、手首を上側(手の甲側)へ曲げる。
3.次は手首を下側(手のひら側)に曲げる。
4.これを10回(上下で1回)、3セット行う。
方向になるようにつかむ)、両腕を手の甲を上にして前方向に伸ばす(負荷はペットボトルの大きさや水の量で調整する)。
2.肘を曲げたり腕の位置を変えないようにしながら、手首を上側(手の甲側)へ曲げる。
3.次は手首を下側(手のひら側)に曲げる。
4.これを10回(上下で1回)、3セット行う。
壁立て伏せ
1.壁を前にして立ち、両手を肩幅より少し広めに広げて壁につける(壁との距離は、ひじを伸ばすと壁に手の先がつくくらい)。
2.ひじをゆっくりと曲げ、あごが壁につくくらいまで曲げたら、ひじをゆっくり伸ばしていく(背中から腰にかけて一直線になるように)。
3.これを5〜10回行う。
2.ひじをゆっくりと曲げ、あごが壁につくくらいまで曲げたら、ひじをゆっくり伸ばしていく(背中から腰にかけて一直線になるように)。
3.これを5〜10回行う。
おわりに:毎日の筋トレ習慣で、健康な老後生活を!
高齢者の方が家で無理なく簡単にできる、基礎的な筋トレをご紹介しました。筋力が衰えると生活の質(QOL)が下がり、寝たきりにつながってしまう恐れがあります。事前に筋トレや歩行などの運動習慣をつけるようにしましょう。
生20-739,商品開発G
生20-739,商品開発G