高齢者のケガ、寝たきり予防に役立つ「基本のストレッチ」

高齢者のケガ、寝たきり予防に役立つ「基本のストレッチ」

高齢者が健康な状態を保つためには、ウォーキングや軽い筋トレをすることが大切ですが、その前に必ずやっておきたいのが「ストレッチ」です。
今回は、高齢者にストレッチが必要な理由と、今日からでも始められる簡単なストレッチのやり方をご紹介していきます。

高齢者がストレッチをするメリットとは?

年をとると、筋力や心肺機能が低下し、関節の可動域が狭くなります。すると、できる行動が少なくなっていくことで身の回りのことをするのがおっくうになり、状態はさらに悪化してしまいます。
このような状態が続くと日常生活の動作がどんどんできなくなっていき、寝たきりや転倒・骨折のリスクが高まってしまいます。

こうした「身体機能の低下」を防ぐために重要になってくるのが定期的な運動です。運動は関節機能の改善、筋力の増強、体力の向上など、身体面に様々な効果をもたらします。
中でもストレッチは気軽にできますし、以下のようなメリットもあるのでおすすめです。

・萎縮して固くなっている筋肉の柔軟性を高めてくれる
・継続して行うことで筋肉の柔軟性を保ち、運動がスムーズにできるようになる
・心拍数や血流量を高める
・関節可動域を広げることで、ケガを予防できる

毎日ストレッチをすることで、日常生活の動作がスムーズになって過ごしやすくなりますし、運動や歩行中のケガのリスクも低減し、スポーツのパフォーマンスも上がります。

正しいストレッチのやり方と注意点

ストレッチをする際には、以下のことを心がけましょう。

呼吸を止めない

ストレッチの最中は、鼻と口を使って細く長くリラックスした状態で呼吸を続けてください。呼吸を止めると体が緊張状態になり、筋肉が硬くなって十分な弛緩効果が得られなくなってしまいます。

反動をつけない

筋肉を急に伸ばすと反射的に筋肉が収縮し、柔軟性が高められません。また、筋断裂などのケガの原因にもなります。慣れないうちは勢いや反動をつけず、じんわりと少しずつ伸ばしていきましょう。

「気持ちいい」くらいの範囲で

高齢者のストレッチは、「気持ちいい」と思えるところまでで十分です。柔軟性が低い硬い筋肉を無理に痛みが出るまで伸ばそうとしても、うまくストレッチできません。筋肉を痛める原因にもなります。
息を吐きながら気持ちいいところギリギリまで伸ばし、少しずつ可動域を広げていきましょう。

高齢者のストレッチの基本:手・脚のストレッチ

高齢者が転倒すると、腰椎の圧迫骨折や大腿骨頚部(太ももの付け根)の骨折を起こしやすく、骨折すると寝たきりのリスクが高まります。
転倒を防ぐために高齢者にまず始めて欲しい基本のストレッチは、手と脚のストレッチです。

膝を伸ばす「脚うらストレッチ」

転倒を防ぐには、自分の脚でしっかり歩けるようになる必要があります。そのためには、脚のうらの筋肉を伸ばして、脚をうまく動かせるようにすることが大切です。
「膝を伸ばすストレッチ」で脚うらの筋肉を伸ばしましょう


1.椅子に浅く腰掛ける。
2.片足を前に伸ばす。つま先は天井に向ける(膝を曲げないよう注意)。
3.胸を張って、上体を前に倒す。
4.反対側も同じように行う。

太もも前側のストレッチ

太ももは前側にも大きな筋肉(大腿四頭筋)があります。大腿四頭筋は、膝や股関節に関わる大切な筋肉です。

1.立ったまま、つま先と膝を前に向けて広めに脚を開く。
2.胸を張り、太ももの前側を伸ばす(腰を前に出すようなイメージ)。
3.反対側も同じように行う。

足首の体操

歳を重ねると、足のつま先を持ち上げる筋肉が衰えていきます。足のつま先を持ち上げる筋肉が衰えると、歩行がスムーズにいかなくなり、何もないところで転倒するようになります。
予防のために、足首周りの体操をしましょう。

1.椅子に腰掛ける。
2.そのままの状態で、両足のつま先を持ち上げ、10秒止める。
3.この動きを何回か繰り返す。

手首のストレッチ

手首のストレッチをすることで、手で行う日常動作がスムーズになりますし、転倒したときのケガを予防しやすくなります。

1.両手のひらを胸の前で合わせ、両肘を上へと上げていき、地面と平行になる位置で止める。
2.そのまま10秒姿勢を保つ。
3.この動きを何回か繰り返す。

おわりに:日頃のストレッチで健康寿命を延ばそう

高齢になると筋力の衰えとともに、関節の可動域も狭まってくるので、その状態を放置していると思わぬケガや寝たきりのリスクにつながります。健康的な老後生活を送るためにも、日々の習慣にストレッチを加えていきましょう。


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