血栓症の種類と予防におすすめの運動

血栓症の種類と予防におすすめの運動

血栓症には複数の種類があり、重症化すると命に危険が及ぶこともあります。この記事では、血栓症の種類と予防におすすめの運動について解説します。

血栓症の種類

血栓症とは、血液や血管、血流の異常により血栓ができ、血管が詰まる疾患です。詰まった先の細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなることで、機能低下や壊死が起こります。血栓ができる部位や流れ着く部位によって、エコノミークラス症候群(肺塞栓症、深部静脈血栓症)・心筋梗塞・脳梗塞等、疾患名も変わります。

●エコノミークラス症候群
長時間同じ姿勢が続くことで脚の静脈の流れが滞り、血栓ができる血栓症です。エコノミークラスを使った長時間の移動で起こりやすいことが名前の由来ですが、車や電車の移動、デスクワーク、寝たきりが原因になることもあります。

●心筋梗塞
血栓が心臓の冠動脈に詰まり、血液が流れなくなることで発症します。動脈硬化が主な原因であり、高血圧・脂質異常症・糖尿病等の生活習慣病の方は発症リスクが高く、肥満や喫煙もリスクを高める原因になります。

●脳梗塞
血栓が脳の血管に詰まり、脳細胞に血液が流れなくなることで発症します。心筋梗塞と同様、生活習慣病の方、肥満の方、喫煙習慣がある方は発症リスクが高くなります。

血栓症予防におすすめの運動

ウォーキングや軽めのジョギング、サイクリング等の有酸素運動には、血圧や血糖値の上昇を抑える・HDLコレステロール(善玉コレステロール:動脈硬化を抑える作用がある)を増やす・内臓脂肪を低下させる・ストレスを解消する等に役立ちます。心筋梗塞や脳梗塞のリスク要因である生活習慣病の予防にも役立つので、1日30分以上の有酸素運動を、できれば毎日行うようにしてください。

エコノミークラス症候群は、座りっぱなしや立ちっぱなし等、同じ姿勢が長時間続くことが主な原因です。2時間おきに周囲を歩く等、こまめに体を動かすようにしてください。飛行機での移動時等、立ち上がれない状態のときは、2時間おきに以下の運動行うことをおすすめします。

・足首をゆっくり回す
・かかとの上げ下ろしをする
・つま先を地面側に曲げ、足の甲を伸ばす
・足の指で「グーとパー」を繰り返す
・両膝の曲げ伸ばしをする

水分不足も血栓症のリスクを高めます。こまめな水分補給を心がけ、汗をたくさんかいたときは経口補水液で電解質も補給しましょう。なお、血栓症の発症後に運動をすると症状が悪化する可能性があります。胸がひどく痛む、急に呼吸が苦しくなる、冷や汗が出る、吐き気がする、手足が麻痺する、脚が腫れる、呂律が回らなくなる等の症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診してください。


血栓症を予防するには、血液や血管、血流を正常な状態に保つことが大切です。適度な運動、こまめな水分補給とあわせて、規則正しい生活とバランスの整った食生活を心がけましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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