糖尿病と認知症の関係性と高齢者の血糖値管理の注意点

糖尿病と認知症の関係性と高齢者の血糖値管理の注意点

糖尿病の方は認知症になりやすく、血糖値管理が難しいと言われています。この記事では、糖尿病と認知症の関係性と高齢者の血糖値管理の注意点について解説します。

糖尿病と認知症の関係性

糖尿病の方(特に高齢者の方)は、同年代の糖尿病でない方に比べて、アルツハイマー型認知症と血管性認知症の発症率が高いと言われています。完全に解明されたわけではありませんが、糖尿病の方が認知症を発症しやすい原因には、以下が関係していると考えられています。

・高血糖による酸化ストレス・炎症・終末糖化産物(糖が燃焼した際にできる有がい物)等が、脳の神経細胞にダメージを与える
・糖尿病の方は、アミロイドβ(アルツハイマー型認知症の原因とされているたんぱく質)が溜まりやすい(インスリン抵抗性・インスリン分泌量・インスリン分解酵素等の影響と言われている)
・糖尿病の方は動脈硬化が進行しやすく高血圧も合併しやすいため、脳卒中(脳梗塞・くも膜下出血・脳出血等)が原因の血管性認知症を発症しやすくなる
・重症低血糖(昏睡・痙攣等が起こり周囲の助けが必要になる深刻な低血糖)を起こした際に、脳の神経細胞にダメージを与える 等

高齢者の血糖値管理の注意点

一般的に、高齢者の方は若い世代・中高年の方と比較すると、加齢・認知機能・身体機能・併発疾患等の影響で血糖値管理が難しくなります。また、高齢者の方は重症低血糖になりやすいことも、血糖値管理が難しくなる原因のひとつです。自己判断による血糖値管理は大変危険が伴います。必ず医療機関に相談しながら目標となる血糖値を定め、指示を守った上で血糖値を管理しましょう。

また、糖尿病の高齢者の方は、シックデイ対策が特に大切になります。シックデイとは、糖尿病の方が感染症等の疾患や体調不良になり、発熱・下痢・嘔吐・食欲不振を起こし食事ができなくなった状態のことです。シックデイの際は血糖値が管理しにくく、高血糖と低血糖双方のリスクが高まります。シックデイ中はこまめに血糖値を測定し、以下の症状・変化が見られた際は、早急にかかりつけの医療機関に連絡しましょう。なお、シックデイが起こった際の対策については、かかりつけの医療機関に事前に相談しておくことをおすすめします。

・血糖値350mg/dL以上の状態が続いている
・嘔吐・下痢が治まらない
・38℃以上の高熱が続いている
・24時間程度、食事を摂れていない、または食事量が極端に少ない
・意識に変調が見られる


糖尿病の方だけでなく、糖尿病の前段階とされる耐糖能異常(たいとうのういじょう:空腹時血糖値が正常値と異常値の間にある状態)の方も認知症リスクが高くなると言われています。糖尿病と診断されていない場合でも、健康診断等で「血糖値が高め」と指摘をされたことがある方は、早めに医療機関を受診し対策を始めましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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