体には時計が存在する
我々の体は、おおよそ24時間の概日リズム(サーカディアンリズム)を示すことが知られています。それを支配しているのが、脳の視床下部にある視交叉上核(SCN)に存在する体内時計です。体内時計は、体温やホルモンの分泌に関わっており、睡眠や食物の消化、各種疾患にも影響していると言われています。
ヒトの体内時計の周期は、約25時間といわれており、毎朝の光刺激により24時間の周期に同調しています。ヒトの体内時計は2種類存在しており、 主となるのはSCNに存在する“主時計”で、更に臓器や、筋肉や皮膚などのあらゆる細胞には“末梢時計”が存在しています。光刺激が、SCNに到達すると、主時計のリセットが起こり、体内時計の1日がスタートします(図1)。夜遅い時間に光暴露を受け、朝の光が弱いと、体内時計は遅れて、いわゆる夜型化を起こします。特に夜間のブルーライトは、主時計を狂わせる原因となります。一方、末梢時計は、食事、運動、ストレス、あるいはカフェインなどによる刺激が同調刺激になっています。
ヒトの体内時計の周期は、約25時間といわれており、毎朝の光刺激により24時間の周期に同調しています。ヒトの体内時計は2種類存在しており、 主となるのはSCNに存在する“主時計”で、更に臓器や、筋肉や皮膚などのあらゆる細胞には“末梢時計”が存在しています。光刺激が、SCNに到達すると、主時計のリセットが起こり、体内時計の1日がスタートします(図1)。夜遅い時間に光暴露を受け、朝の光が弱いと、体内時計は遅れて、いわゆる夜型化を起こします。特に夜間のブルーライトは、主時計を狂わせる原因となります。一方、末梢時計は、食事、運動、ストレス、あるいはカフェインなどによる刺激が同調刺激になっています。
体内時計と睡眠・食事
睡眠時には、メラトニン、コルチコステロイドや成長ホルモンが分泌されています。メラトニンは、脳の松果体という部位から夜間に分泌される神経ホルモンで、ヒトでは睡眠を安定させたり、生体時計の調整を行ったりする作用をもっています。朝、光を浴びると、光刺激により、メラトニンの分泌が止まり、体内時計がリセットされて体は活動状態に導かれます。
体内では、メラトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンから合成されます。トリプトファンを多く含む朝食と夜間の暖色の照明での睡眠によりメラトニン分泌の上昇と、快適な睡眠につながるという研究結果もあります。メラトニンが多く含まれる食べ物には、大豆製品や鰹、鶏むね肉などがあります(表1)。
体内では、メラトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンから合成されます。トリプトファンを多く含む朝食と夜間の暖色の照明での睡眠によりメラトニン分泌の上昇と、快適な睡眠につながるという研究結果もあります。メラトニンが多く含まれる食べ物には、大豆製品や鰹、鶏むね肉などがあります(表1)。
また、食事に含まれるたんぱく質や、アミノ酸が体内時計に影響して、血糖値を正常化するという研究も報告されています。
すなわち、朝食における炭水化物とたんぱく質の適度な摂取は、体内時計の同調効果を促進するとされており、規則正しい食生活と明暗サイクルの調整によりサーカディアンリズムを整える事は健康の増進につながります。
すなわち、朝食における炭水化物とたんぱく質の適度な摂取は、体内時計の同調効果を促進するとされており、規則正しい食生活と明暗サイクルの調整によりサーカディアンリズムを整える事は健康の増進につながります。
体内時計をしっかりと合わせる生活
毎日、健康で過ごすためには、朝起きて太陽の光を浴び、朝食には、炭水化物だけでなくたんぱく質を含むものも一緒に摂取し、外に出て日差しの中でウォーキングなどの運動を行うことで、体の中で起こる体内時計の乱れをリセットし、夜間にブルーライトを浴びない生活習慣をまもることが健康への第一歩とつながるのです。
<参考文献>
アンチ・エイジング医学-日本抗加齢医学雑誌―Vol.15,No.6(2019)
柴田重信 (著, 編集), 時間栄養学: 時計遺伝子,体内時計,食生活をつなぐ(2020)
<参考文献>
アンチ・エイジング医学-日本抗加齢医学雑誌―Vol.15,No.6(2019)
柴田重信 (著, 編集), 時間栄養学: 時計遺伝子,体内時計,食生活をつなぐ(2020)
和洋女子大学家政学部健康栄養学科 准教授 多賀昌樹
提供元:和洋女子大学、株式会社ライフケアパートナーズ
提供元:和洋女子大学、株式会社ライフケアパートナーズ