介護する方にも多い「燃え尽き症候群」の特徴と予防対策

介護する方にも多い「燃え尽き症候群」の特徴と予防対策

仕事や介護等に打ち込んでいた方が、極度の疲労で燃え尽きたかのように意欲を失う状態を「燃え尽き症候群」と言います。この記事では、燃え尽き症候群の特徴と発症に至る要因、予防対策について解説します。

燃え尽き症候群の特徴

仕事や介護を円滑に進めるには、相手や周囲との関係性を築く必要がありますが、その過程で肉体的・精神的エネルギーを著しく消費する場合があります。このようなエネルギー消費が重なり、疲労やストレスが溜まることが燃え尽き症候群の主な原因です。

燃え尽き症候群になると、気配りのない割り切った対応が増えるようになり、これに伴い「仕事・作業の質」が低下し、やりがいや自信も失われていきます。また、燃え尽き症候群になると、以下のような心身の変化が現れるようになります。

・疲れやすい、疲れが取れない
・意欲・集中力がない
・眠れない、朝起きられない
・イライラする、悲観的になる
・他人と関わりたくない
・自己肯定感・達成感が低下する
・仕事や介護等の現場に行きたくない

燃え尽き症候群の主な要因

燃え尽き症候群は、医療・介護・サービス業等に多いと言われていますが、どのような職種の方でもなる可能性があり、家庭内の環境が要因になる可能性もあります。燃え尽き症候群を引き起こす主な要因は、以下のとおりです。

●個人的要因
・物事に対してひたむき
・責任感が強い
・理想が高く、自分に厳しい
・他人のために頑張り過ぎる

●環境的要因
・勤務時間・作業時間が長い
・ノルマが厳しい
・身体的な負担が大きい
・成果を感じにくい
・見合った評価を得られない

燃え尽き症候群の予防対策

燃え尽き症候群を予防するためには、以下を心がけ、疲労やストレスを溜めないようにすることが大切です。

●職場や家庭でのご自身の役割を客観的に判断する
ご自身の思う「やるべきこと」と「職場・ご家族・周囲の方等が貴方に求めていること」は、必ずしも一致するわけではありません。個人としてのご自身と、職場や家庭等「他人が関わる状況」におけるご自身の役割を客観的に捉え、状況を冷静に判断することを心がけましょう。

●相談相手を作る
悩みを一人で抱え込まないようにするため、相談できる・アドバイスをしてもらえる第三者を、職場・家庭内・その他のコミュニティで作ることをおすすめします。

●休息の時間を作る
適度に休息を取り心身の疲労を回復することは、パフォーマンスの向上にも役立ちます。休息・息抜きの時間をきちんと確保し、疲労やストレスをこまめに解消しましょう。


物事に精一杯取り組むことは素敵なことですが、頑張り過ぎは心身の健康を損ねる原因になり、目的の達成を妨げる原因にもなります。疲労やストレスが溜まらないようにこまめに休息・息抜きの時間を取りましょう。また、心身の疲労回復を促すため、食生活や睡眠習慣等の生活習慣を見直すようにしてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生22-4131,商品開発G

関連記事

  • 微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症とは、心臓弁膜症等の疾患が認められず、直径100μm(マイクロメートル)以下の微小な冠動脈(かんどうみゃく)が充分に拡張しなかったり、著しく収縮したりすることで起こる狭心症です。この記事では、微小血管狭心症の特徴と治療について解説します。

  • 糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病の方は皮膚トラブルが起こりやすく、皮膚トラブルが悪化すると壊疽(えそ:皮膚・皮下組織等が壊死し、黒く変色した状態)等に進行し、日常生活に支障を来す可能性があります。この記事では、糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて解説します。

  • 直腸がんの症状と予防対策

    直腸がんの症状と予防対策

    直腸は大腸の一部であり、15cmから20cm程度の長さがあります。上部から直腸S状部・上部直腸・下部直腸に分けられ、上部でS状結腸からつながり下部で肛門へとつながります。この記事では、直腸がんの症状と予防対策について解説します。