「まごわやさしい」でやさしい食育を

「まごわやさしい」でやさしい食育を

食の多様化と伝統

日本では米を主食に、野菜、芋、魚、海藻を中心とした食生活を営んできました。しかし、飽食の時代ともいわれる近年においては、食スタイルの多様化が進み、多くの種類の食材を受入れ、日本古来の食の在り方が様変わりしました。そのような中、2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本の伝統的な食を見つめ直すことに注目が集まっています。

「まごわやさしい」とは?

食育と聞くと、難しいのでは?と思う方も多いかもしれませんが、和食の合言葉とも言われる「まごわやさしい」を知っておくと、とても簡単に実践することができます。難しい栄養価計算ではなく、この7品目の食材をできるだけ1日の中でバランスよく摂り入れることを心がけてみましょう。もちろん、1日の中で摂れない場合もありますが、翌日などに意識的にプラスしてみるなど、やさしい食育で無理なく進めてみるのはいかがですか。

「まごわやさしい」の食材

ま(まめ)    豆類…大豆、小豆、味噌、豆腐など。植物性の良質なたんぱく質が豊富です。
ご(ごま)    種実類…ごま、ナッツなど。活性酸素を防いで元気な体を保ちます。
わ(わかめ)    海藻類…わかめ、ひじき、海苔など。カリウム、ミネラル、食物繊維が豊富です。
や(やさい)    野菜類…葉野菜、根菜など。ビタミン、ミネラルが豊富、1日350gを目安にしましょう。
さ(さかな)    魚類…魚、小魚、貝など。DHAやEPAを含み、血液を健康な状態にします。
し(しいたけ)    きのこ類…しいたけ、えのきたけなど。カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富です。
い(いも)    いも類…じゃがいも、さといも、さつまいもなど。ビタミンCや食物繊維が豊富です。

腸内環境を整える和食

人間の腸内では、約100兆個の細菌が種類ごとにまとまり、腸内フローラを作っています。この腸内フローラは食生活が偏ると特定の細菌だけが増え、腸内環境のバランスが崩れてしまいます。様々な食材を少しずつ食べる和食は、多くの種類の細菌をバランスよく増やすことができ、腸内環境を整える方向に導きます。また、腸内環境が整うことで、免疫力もアップしますので、和食は私たちの健康に大きな影響を与えています。

見つめ直そう日本の伝統

和食は、その一つひとつに、敬いの多くの願いや思いが込められています。私たちの身体的な部分だけでなく、心の部分にも語りかけているのではないでしょうか。やさしい言葉のやさしい食育「まごわやさしい」を合言葉に、健康維持へ向けて歩んでいきませんか。
和洋女子大学家政学部健康栄養学科 助教 管理栄養士、専修栄養教諭 布川 美穂
提供元:和洋女子大学、株式会社ライフケアパートナーズ

生21-3544,商品開発G

関連記事

  • 脳梗塞による麻痺(まひ)のリハビリテーション

    脳梗塞による麻痺(まひ)のリハビリテーション

    脳梗塞で麻痺を起こすと、寝たきりになることでうつ症状・認知症等を発症する可能性があります。この記事では、脳梗塞による麻痺(まひ)のリハビリテーション(リハビリ)について解説します。

  • 転移性肝がんについて

    転移性肝がんについて

    肝がん【肝臓に発生するがん】には、原発性肝がん【肝臓の細胞が悪性腫瘍(がん)化して生じるがん】と転移性肝がん【他部位・他臓器で発生したがん細胞が肝臓に転移し発生するがん】があり、転移性肝がんは原発性肝がんよりも発症数が多いと言われています。この記事では、転移性肝がんについて解説します。

  • 腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について

    腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について

    腎臓に発生する腫瘍が良性であることは少なく、ほとんどが悪性腫瘍(がん)であると言われています。腎臓に発生するがんは種類により症状が異なり、発生しても症状が現れない可能性があります。この記事では、腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について解説します。