加齢で起こる身体機能の衰えについて

加齢で起こる身体機能の衰えについて

年齢を重ねるに連れ、「衰えを感じる機会が増えた」と感じる方もいらっしゃると思います。この記事では、加齢で起こる身体機能の衰えについて解説します。

加齢で起こる身体機能の衰えの特徴

加齢に伴い身体機能が衰えると、低栄養に陥りやすいと言われています。これは、咀嚼機能(そしゃくきのう:口腔内で食べ物を噛み砕き、唾液と混ぜ合わせ飲み込みやすい塊にする機能)や嚥下機能(口腔内の食べ物・飲み物を飲み込み、胃に送る機能)が低下する・加齢に伴い筋力が低下する・体力低下で身体活動量が減少する等により、食事量が減少することが関係していると考えられています。

低栄養の状態に陥ると、低栄養の影響で身体機能が衰え、低栄養の状態が更にひどくなるという悪循環が起こりやすく、寝たきりのリスクも高まります。なお、加齢により身体機能が衰えると、以下の変化が起こり、これらに伴い疾患・合併症等を発症する可能性があります。

・免疫低下・予備力(潜在能力)の低下:感染症等、様々な疾患のリスクが高まる
・恒常性維持機能の低下:環境の変化に適応する能力が低下する
・体温調節能力の低下:気温が上がると体温が過剰に上がる・気温が下がると体温が過剰に下がる等が起こりやすくなる
・水・電解質のバランス異常:発熱・下痢・嘔吐等により脱水症を起こしやすくなる
・耐糖能(たいとうのう:血糖値を正常に保つ能力)の低下:血糖値を一定に保てなくなる・低血糖を起こしやすくなる(糖尿病の治療を受けている場合)等が起こりやすくなる
・血圧の変化:一般的に、加齢に伴い血圧が上がる傾向にある
・感覚器の機能低下:視覚障がい・聴覚障がい等

身体機能の衰えを緩やかにする対策

身体機能の衰えを緩やかにする対策は、老化を遅らせることにもつながります。まずは低栄養の状態に陥らないよう、食欲・筋力を保つため身体活動量を維持することを心がけましょう。なお、筋力を保つことは、寝たきりの予防にも役立ちます。筋力を保つためにはたんぱく質の摂取と筋力トレーニングを組み合わせる必要があるため、たんぱく質を含む食品(肉類・魚類・乳製品・豆類等)を積極的に摂取し、筋力トレーニングを習慣化するようにしてください。また、栄養バランスを整え安全にトレーニングを行えるようにするため、医療機関等に相談してから取り組むことをおすすめします。


身体機能の衰えを緩やかにすることは健康を維持することにもつながり、将来の「元気に活動できる期間」を増やすことにも役立ちます。できるだけ早い時期から食生活・運動習慣・休養の取り方・飲酒習慣・禁煙・口腔ケア等の生活習慣を見直すようにしましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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