【長生き応援シリーズ】遺言信託について③~遺言信託のメリット~

【長生き応援シリーズ】遺言信託について③~遺言信託のメリット~

シリーズ「遺言信託について②~遺言信託の活用事例~」では、どのように遺言信託が活用されるのか、実際の事例をお伝えしました。
今回は、遺言信託のメリットについてご紹介します。

遺言信託のメリット

通常、遺言信託は、遺言書の作成とセットとなるので、遺言書作成時に、相続の専門家のアドバイスを受けることができるメリットがあります。遺言には、法律で厳格なルールが定められており、このルールが守られていない遺言書は無効となってしまうことが!また、遺言書としては有効でも、いわゆる遺留分を侵害する内容であったりすると、後々トラブルが生じる恐れがありますし、多くの慈善団体は現金のみの遺贈を受け付けているため、自宅不動産を遺贈する旨の遺言では受け取りを辞退されてしまうことがあるなど、実は、遺言の作成は結構難しいのです。このため、遺言作成時に専門家のアドバイスが受けられるメリットは、大変大きいと言えましょう。
加えて、遺言信託では、遺言書を公正証書で作成するのが基本なので、紛失や改ざん、隠ぺいなどという心配も無用ですし、自筆証書遺言の場合に必要な裁判所による検認手続が不要となります。

そして、遺言信託のもう一つのメリットは、煩雑な相続手続を代わりに処理してくれる点です。相続手続で必ず必要となるのが、被相続人や相続人の戸籍謄本などの公的証明書です。場合によっては、被相続人の両親などの戸籍を、出生から全てつながる形で集めなければなりませんが、枚数もさることながら、明治時代の戸籍は、字が達筆すぎたり旧体字で書かれていて、判読するだけでも苦労します。おまけに、市町村合併で消滅した自治体の戸籍はどこに請求すればいい?というケースも!
なんとか公的証明書が集められても、今度は、預貯金の名義変更や解約払い戻し、不動産や自動車の名義変更など諸々の手続が待っています。これらは、生涯で何度も行う手続ではないにもかかわらず大変面倒です。でも、遺言信託契約を締結しておけば、こうした煩わしい手続は、委託を受けた遺言執行者が処理してくれます(一部代理手続できないものを除く)。特に、相続人や受遺者が高齢であったり、海外在住の場合は、有意義なサービスと言えるでしょう。

また、相続人以外への遺贈をご希望であったり、そもそも相続人が誰もいない方は、遺言信託契約によって遺言どおり確実に遺贈できます。前述のように、慈善団体への遺贈をご希望の場合も、遺言書で、財産の全てを換価換金しそのお金を遺贈(これを清算型遺言と言います)と記載しておけば、遺言執行者が現金化するので、不動産等についても遺贈が可能です。
相続税の申告が必要なケースや、遺言書をめぐってトラブルが生じた場合は、弁護士、税理士などの専門家の紹介が受けられるので、相続人及び受遺者の皆様にも安心いただけます。

このように遺言信託は、遺言作成時にアドバイスを受けられることによる相続人間でのトラブル回避や煩雑な相続手続の負担軽減、相続人以外への確実な遺贈の実現などのメリットがあります。
次回は、遺言信託を利用するうえで知っておくべきデメリットについてお伝えします。
日本生命では、自身の想いを託す方が周りにいらっしゃらない方のために、ご家族やご親族に代わって、生前から死後までをサポートするご契約者向けサービス「GranAge Star(グランエイジ スター)」をご案内しております。
https://www.nissay.co.jp/kaisha/granage_pj/torikumi/granage_star/

※一部、「GranAge Star(グランエイジ スター)」のサービス提供法人である一般社団法人シニア総合サポートセンターに寄せられた声を元に構成しています。

生20-5819,商品開発G

関連記事

  • 微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症とは、心臓弁膜症等の疾患が認められず、直径100μm(マイクロメートル)以下の微小な冠動脈(かんどうみゃく)が充分に拡張しなかったり、著しく収縮したりすることで起こる狭心症です。この記事では、微小血管狭心症の特徴と治療について解説します。

  • 糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病の方は皮膚トラブルが起こりやすく、皮膚トラブルが悪化すると壊疽(えそ:皮膚・皮下組織等が壊死し、黒く変色した状態)等に進行し、日常生活に支障を来す可能性があります。この記事では、糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて解説します。

  • 直腸がんの症状と予防対策

    直腸がんの症状と予防対策

    直腸は大腸の一部であり、15cmから20cm程度の長さがあります。上部から直腸S状部・上部直腸・下部直腸に分けられ、上部でS状結腸からつながり下部で肛門へとつながります。この記事では、直腸がんの症状と予防対策について解説します。