脂質異常症を改善する運動のポイント

脂質異常症を改善する運動のポイント

脂質異常症は生活習慣病のひとつで、放置すると動脈硬化を進行させる恐れがあります。この記事では、脂質異常症改善策のひとつである運動について、その効果やおすすめの運動、取り組む際の注意点をご紹介します。

運動で脂質異常症は改善する?

運動は脂質異常症の改善に効果があり、治療でも重視されています。運動の主な働きやその効果として、以下のようなものがあります。

・中性脂肪の減少(エネルギー源として利用されるため)
・善玉コレステロールの増加(善玉コレステロールの代謝が活性化されるため)
・体力や筋力の維持(活動量が増えるため)

上記のほか、運動にはストレスの解消、インスリン感受性(インスリンの働きや分泌量は正常なのに十分な効果を発揮しない状態)の改善、骨密度や脳機能の上昇といった効果も期待できます。

おすすめの運動は?

脂質異常症を改善するためには、1日30分程度(1週間で合計180分以上)の有酸素運動に取り組むとよいと言われています。有酸素運動とは、酸素を使用して、糖質や脂質をエネルギー源に変える運動です。具体的な有酸素運動として、散歩やラジオ体操、ウォーキング、ジョギング、水中歩行、水泳、サイクリング、エアロバイク、社交ダンスなどがあります。

運動の強さのおおまかな目安は、「ちょっときついくらい(心拍数110~120程度)」です。15分以上続けることで、効率よく脂肪が燃焼されるようになります。最初は散歩から始め、徐々に自分に合う運動に変えていくと続けやすいです。

運動に取り組む際の注意点

間違った方法で運動すると体に負担がかかります。以下に、運動する際の注意点をご紹介します。

●運動を始める前に医師に相談する
すでに心不全などを患っている方や、腰やひざに痛みを抱えている方の場合、自己判断で運動を始めるとかえって体に負担がかかってしまう可能性があります。どのような運動に何分くらい取り組めばよいか、かかりつけの医師に事前に確認しましょう。

●その日の体調に合わせる
風邪を引いてしまったり、運動前に吐き気、めまい、頭痛、倦怠感があるときは無理をせず、その日の運動を中止しましょう。また、普段から体温や脈拍を測って、異変がみられるときは運動を控えたり、運動量を減らしたりすることも大切です。

脂質異常症を改善するには、日頃から運動に取り組むことが大切です。ただ、無理をするとかえって体調を悪化させてしまう可能性もあります。無理のない範囲で運動を習慣にしていきましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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