【健康コラム】健康的な食生活を実践するための食環境づくり

【健康コラム】健康的な食生活を実践するための食環境づくり

"人生100年時代"と言われている現代、いつまでも元気にいきいきと過ごしたいと誰もが願うことでしょう。心身ともに健康で過ごすために、日々の生活におけるヒントを見つけて実践してみましょう。

わが国では、生活習慣病の増加が健康課題となっています。
健康づくりには、積極的に体を動かし、禁煙、節酒などの適正な生活習慣の実践と同時に、栄養バランスの取れた食事の実践も重要です。
国民一人ひとりの健康づくりを支援するための、さまざまな「食環境づくり」の取り組みが進められています。

食の外部化に対する環境づくり

2018年の厚生労働省の調査によれば、20~59歳男女の昼食における中食(コンビニエンスストア・スーパーなどのお弁当、出前などの調理済み食品)の利用状況は10.4%、外食は23.5%でした。中食や外食、加工食品の利用など「食の外部化」が進んでおり、適正な栄養に関する情報提供や、健康的な食物提供などの食環境づくりが重要になっています。

加工食品の栄養成分表示の義務化

2015年に施行された「食品表示法」では、菓子や冷凍食品、レトルト食品、インスタント食品などの加工食品について、栄養成分表示(エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量))が原則、義務化されました。
また、「○○豊富」や「○○30%アップ」、「○○控えめ」、「○○オフ」のように、ある栄養素の含有量を強調表示する際の規定も設けられています。

中食・外食料理の食環境づくり

中食・外食は好みで選ぶことが多く、食事内容に偏りができたり、味付けが濃かったり、野菜が少なかったりする傾向があり、選ぶ際に注意が必要です。

多くの自治体では、栄養成分表示を行う「健康づくり支援店制度」を設け、支援を行い、認定された飲食店のリストをホームページで公表するなどの利用者への周知も進めています。

さらに、飲食店における、エネルギー・食塩・脂質控えめ、野菜たっぷりなどの「ヘルシーメニュー」や、ごはん半盛り、野菜おかわり自由などの「ヘルシーサービス」の提供を推進する取り組みも進められています。

2018年には、どこでも、だれでも、栄養バランスのよい食事を選べる社会を目指して「スマートミール認証制度」が始まりました。これは、外食・中食・事業所給食で、主食・主菜・副菜が揃い、野菜がたっぷり・減塩に配慮した食事(表を参照)を、継続的に、健康的な空間(栄養情報の提供や受動喫煙防止等に取り込んでいる環境)で、提供している飲食店や事業所を、日本栄養改善学会、日本高血圧学会など複数の学協会で構成されるコンソーシアムが認証する制度です。

2020年8月現在、全国で419の事業者が認証を受けています。
「健康な食事・食環境」認証制度ホームページから、スマートミールの認証を受けた飲食店等を検索することができます。(http://smartmeal.jp/index.html)
※「健康な食事・食環境」認証制度ホームページより (1808)

via ※「健康な食事・食環境」認証制度ホームページより
食品の購入時には、栄養成分表示を見て、エネルギーや脂質、食塩量の少ないものを選んでみましょう。
また、スマートミールをはじめとして、飲食店等で提供されるヘルシーメニューは、1食あたりの適量の把握や、適度な食塩量を把握できる、健康的な食事の体験学習として良い機会となります。ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
和洋女子大学家政学部健康栄養学科 准教授 管理栄養士 博士(医学)髙𣘺 佳子
提供元:和洋女子大学、株式会社ライフケアパートナーズ

生20-6300,商品開発G

関連記事