高齢者のうつの特徴とおすすめの予防対策

高齢者のうつの特徴とおすすめの予防対策

高齢者のうつの症状は、加齢による変化と勘違いしやすいことなどから、周囲が気づきにくい特徴があります。この記事では、高齢者のうつの原因と特徴、うつの予防対策をご紹介します。

高齢者のうつの原因

高齢者のうつの主な原因には環境的要因と心理的要因があり、治療薬の影響や脳血管障がいが原因になることもあります。

●環境的要因の例
・定年退職や子どもの独立などでやることがなくなった
・引越しなどで環境が大きく変化した
・人に会う機会が少なくなった
・夢中になれる趣味がない

●心理的要因の例
・配偶者やペットとの別離
・重篤な疾患の発症
・夫婦のコミュニケーションがなくなった
・友人や親戚から嫌味や悪口を言われた

高齢者のうつの特徴

高齢者のうつでは、「物忘れが増えた」「物覚えが悪くなった」などの「記憶力の低下」を強く訴えたり、耳鳴り、めまい、ふらつき、手足のしびれ、頭痛、腰痛、肩こり、疲労感、食欲不振、不眠などの身体症状を強く訴えたりする傾向があり、検査で異常がないのに自身の健康を過度に心配する「心気傾向」を訴えることもあります。

そのため、気分の落ち込みなどの「うつの代表的な精神症状」が目立ちにくく、周囲が気づきにくい特徴があります。また、加齢による変化と似た症状が出ることも、周囲が気づきにくくなる原因のひとつです。

高齢者のうつの予防対策

うつの予防には、脳の働きを活性化することや、精神の安定や感情のコントロールに関係するセロトニンの分泌を促すことが役立ちます。手軽にできる予防対策としては、以下の2つがおすすめです。

・脳の働きの活性化のため、食事の栄養バランスを整える
・太陽光を浴びる、散歩や軽い運動をするなどして、セロトニンの分泌を促す

脳を十分に働かせるためには、エネルギー源となる糖質だけでなく、ビタミン、ミネラル、脂質、タンパク質などもバランスよく摂ることが大切です。高齢になると買い物や食事の用意がおっくうになり、栄養バランスが整った食事を作ることが難しくなることもあります。このような場合は、高齢者向けの宅配サービスなどを試してみることもおすすめです。

セロトニンを増やすためには、新しいことにチャレンジしたり、積極的に人と関わって会話をしたりすることも大切です。もし、ぼんやり過ごすことが多い場合は、新しい趣味や習い事を始めてみましょう。何をすればいいか思いつかない様子が見受けられたら、周囲が誘ってあげると本人も動きやすいと思います。

認知症の前駆症状として「うつに似た症状」が現れる場合や、認知症とうつが併発することもあります。予防対策も大切ですが、早期発見・早期治療も大切です。物忘れが増える、身なりを気にしなくなる、意欲や集中力がなくなるなどの変化は、うつや認知症のサインかもしれません。気づいたときは、早めに医療機関を受診しましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生21-5492,商品開発G

関連記事

  • 脳梗塞による麻痺(まひ)のリハビリテーション

    脳梗塞による麻痺(まひ)のリハビリテーション

    脳梗塞で麻痺を起こすと、寝たきりになることでうつ症状・認知症等を発症する可能性があります。この記事では、脳梗塞による麻痺(まひ)のリハビリテーション(リハビリ)について解説します。

  • 転移性肝がんについて

    転移性肝がんについて

    肝がん【肝臓に発生するがん】には、原発性肝がん【肝臓の細胞が悪性腫瘍(がん)化して生じるがん】と転移性肝がん【他部位・他臓器で発生したがん細胞が肝臓に転移し発生するがん】があり、転移性肝がんは原発性肝がんよりも発症数が多いと言われています。この記事では、転移性肝がんについて解説します。

  • 腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について

    腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について

    腎臓に発生する腫瘍が良性であることは少なく、ほとんどが悪性腫瘍(がん)であると言われています。腎臓に発生するがんは種類により症状が異なり、発生しても症状が現れない可能性があります。この記事では、腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について解説します。