乳酸菌の種類とそれぞれの特徴について

乳酸菌の種類とそれぞれの特徴について

乳酸菌は発酵食品に含まれる善玉菌です。この記事では、乳酸菌の基礎知識として乳酸菌の種類とそれぞれの特徴について解説します。

乳酸菌とは

乳酸菌とは、糖を発酵させ乳酸を作り出す細菌です。腸内のような酸素がない環境でも増殖可能な「嫌気性(けんきせい)細菌」であり、古くからチーズ・ヨーグルト・キムチ・ぬか漬け等の製造に利用されてきました。ビフィズス菌も乳酸菌の一種ですが、乳酸菌が「乳酸」だけを産生するのに対し、ビフィズス菌は乳酸と酢酸を産生することから別の種類に分類される場合もあります。

乳酸菌もビフィズス菌も腸内環境を整える「善玉菌」であり、生活習慣病の予防に役立つと考えられています。また、肥満・免疫・便秘・皮膚・睡眠等に与える影響について、様々な機関で研究が続けられています。

植物性乳酸菌と動物性乳酸菌

乳酸菌は、植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の2種類に大きく分けることができます。

●植物性乳酸菌
野菜・穀物・果物等から分離(乳酸菌を取り出すこと)・発酵して生育します。発酵のために様々な糖を利用できるため栄養が乏しい環境でも増殖可能であること、耐酸性や耐塩性があること等から、動物性乳酸菌よりも生育できる環境が広いと言われています。

●動物性乳酸菌
主に哺乳類の乳糖から分離・発酵して生育する乳酸菌です。植物性乳酸菌よりも短時間で発酵・増殖できますが、乳糖を主体に発酵するものが多く、温度・pH等、増殖できる条件が限られています。

※植物性の糖を使って発酵・生育できる動物性乳酸菌や動物性環境から分離される植物性乳酸菌もあります。

代表的な乳酸菌の菌種

菌種とは細菌の種類のことであり、菌株とは菌種をより細かく識別したものです。同じ菌種の菌株でも、分離源や培養環境によって性質や体への影響が変わる場合があります。以下で、代表的な乳酸菌の菌種の一部をご紹介します。

・ペディオコッカス アシディラクティシ:ぬか床・発酵乳 等
・ラクトバチルス プランダルム:キムチ・すぐき漬け・鮒鮨・ピクルス・サワードウ(パン種)・ワイン・豆乳ヨーグルト 等
・ラクトバチルス ブレビス:キムチ・すぐき漬け・きゅうりの古漬け 等
・ラクトバチルス デルブルエッキ:ヨーグルト・チーズ 等
・ストレプトコッカス サーモフィルス:ヨーグルト・チーズ・豆乳ヨーグルト 等
・ラクトバチルス カゼイ:ヨーグルト・チーズ・サワードウ 等
・テトラジェノコッカス ハロフィルス:味噌・醤油・魚醤・塩辛 等
・ラクトバチルス ラムノサス:動物の消化管や尿路等、様々な場所で見られる
・ラクトバチルス ガセリ:ヒトの腸内や女性の生殖器内下部に生息する常在菌
・ラクトバチルス ヘルベティカス:チーズの製造で使われる


乳酸菌は、便通だけでなく、様々な不調の解消に役立つ可能性があります。バランスの良い食生活が基本にはなりますが、工夫しながら普段の食事に取り入れてみてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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