食塩相当量の目標量は下がっています
厚生労働省から発表される「日本人の食事摂取基準」は、5年に1回見直しがされていますが、食塩相当量の目標量は、毎回低下しています。表1に示したように、2004年までは、15歳以上の1日当たりの食塩摂取量は10g未満とすることが望ましいとされていましたが、「日本人の食事摂取基準2020」では、男性7.5g未満、女性6.5g未満となっています。望ましい食塩の摂取量が、約20年間で75~65%までに引き下げられた状況です。
このように日本での基準値が下がっている主な理由は、高血圧の予防や治療の観点からです。2012年に出されたWHOのガイトラインが成人に対して強く推奨している食塩相当量は5g/日未満であり、各国のガイドラインで、6g/日未満の食塩摂取量が望ましいとされています。そのため、食事摂取基準の目標量とは別に、高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防を目的とした食塩摂取量として、新たに「男女とも6g/日未満」という値も示されました。
このように日本での基準値が下がっている主な理由は、高血圧の予防や治療の観点からです。2012年に出されたWHOのガイトラインが成人に対して強く推奨している食塩相当量は5g/日未満であり、各国のガイドラインで、6g/日未満の食塩摂取量が望ましいとされています。そのため、食事摂取基準の目標量とは別に、高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防を目的とした食塩摂取量として、新たに「男女とも6g/日未満」という値も示されました。
食塩摂取の現状
目標量が少なくなる一方で、実際の日本人の食塩摂取量(国民健康栄養調査より)は、図1に示すように、減少傾向はみられるものの、近年は下げ止まりの状況にあり、先に示した目標量にはなかなか届かないのが現状です。私達の体の細胞内液は、0.85%の食塩濃度相当であるため、食べておいしいと感じる食塩濃度も0.8%付近とされています。しかし、この食塩濃度の設定では、先ほどご説明した、食塩相当量の目標量を達成することはできません。そこで食塩摂取量を減らすための、料理の工夫を紹介します。
食塩摂取量を減らす料理の工夫
味の組み合わせの点からは、うま味や酸味を加えると、食塩を減らしてもおいしく食べることができます。
油のコクや、香辛料の添加も同様に食塩を減らすことができます。例えば、しょうがやニンニクを効かせた鶏の唐揚げにレモンをかけて食べると、少量の食塩でも満足できる味になります。一方、照り焼きのように、砂糖を加えた味は、料理の食塩濃度を上げてしまう傾向があります。そのため、調理の際に砂糖の利用を減らすことも、減塩につながります。
油のコクや、香辛料の添加も同様に食塩を減らすことができます。例えば、しょうがやニンニクを効かせた鶏の唐揚げにレモンをかけて食べると、少量の食塩でも満足できる味になります。一方、照り焼きのように、砂糖を加えた味は、料理の食塩濃度を上げてしまう傾向があります。そのため、調理の際に砂糖の利用を減らすことも、減塩につながります。
熱中症予防と食塩摂取
一方、これからの季節、熱中症対策としての食塩摂取も気をつけたいところです。熱中症対策用の飲料は、ペットボトル1本500mlの中に0.5g~1gの食塩を含んでいます。激しい運動や屋外で大量に汗をかくような緊急の場合以外は、食塩を含まない水で水分補給することも心掛けましょう。
和洋女子大学大学院 総合生活研究科 教授 柳澤 幸江
提供元:和洋女子大学、株式会社ライフケアパートナーズ
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