介護食を作る際のポイント

介護食を作る際のポイント

介護食とは、噛む力・飲み込む力が衰えた方が食べやすくなるよう工夫した食事のことです。この記事では、介護食を作る際のポイントについて解説します。

介護食を作る際に必要な作業

介護食を作る際は、以下の作業が必要になる可能性があります。

・食材を刻む:普通に料理するより2mmから3mm程度細かくなるよう食材を刻むことで、食感を残しつつ、噛みやすく飲み込みやすい食事になる
・食材を潰す:煮込んで柔らかくした食材をスプーン等で潰すことで、飲み込む力はあるが、噛む力が低下している方でも食べやすい食事になる
・ミキサーにかける:調理した食材をミキサーにかけポタージュ状にすることで、噛む力・飲み込む力の両方が低下している方でも食べやすい食事になる
・とろみをつける:刻む・潰す・ミキサーにかける処理をした食材に、片栗粉・米粉等から作られた「とろみ剤」でとろみをつけることで、ポタージュ状の介護食や水分を摂る際に咳き込む程度に飲み込む力が低下している方でも食べられる可能性がある

なお、介護食を作る際は、以下の調理道具があると作業を効率化できます。

・食材を柔らかくする際に役立つ調理道具:蒸し器・圧力鍋 等
・食材を細かくする際に役立つ調理道具:おろし器・すり鉢・裏ごし器・ミキサー・フードプロセッサー・マッシャー・ミルサー 等
・楽しく食べるための加工に役立つ調理道具:抜き型(クッキー等、食材を成型する際に使われる型) 等

食材別のポイント

介護食を作る際のポイントは、食材によって変わります。

●野菜類・海藻類・果物類
・大きい野菜・硬い野菜は隠し包丁を入れる
・硬い野菜は小さく刻む等、硬さによって切る大きさを調節する
・野菜の繊維を断つように切る
・豆類・いも類は熱い状態で潰すと潰しやすい
・ナッツ・ごまはペースト状にする
・わかめ・板海苔は喉に貼り付きやすいため、青のりのように細かく刻む
・硬い果物は、すりおろしてペースト状にする。もしくは、ミキサーにかけ果汁にする

●肉類
・筋を切って叩く・細く削ぎ切りにする等すると、噛みやすくする
・ひき肉を使用すると調理の手間が省ける
・ひき肉のみ使用するとむせる場合は、卵・じゃがいも等と一緒にハンドミキサーにかけペースト状にする

●魚類
・焼き魚はパサパサして飲み込みにくいため、煮魚にしてとろみをつける
・焼き魚とはんぺんを一緒に練り、抜き型で形を整えると食べやすくなる

●卵
・柔らかいだし巻き・スクランブルエッグにすると食べやすくなる
・茶碗蒸し・卵豆腐にすると、噛む力・飲み込む力が低下しても食べやすくなる


介護食は柔らかさ・飲み込みやすさを重視して作ることが基本となりますが、食べる方・作る方が楽しめることも大切になってきます。お好みの調理道具を活用しながら、楽しめる食事になるよう工夫してみてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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