ストレスによる胃痛や頭痛、下痢などはよく知られていますが、ストレスで脳が萎縮することはあまり知られていないかもしれません。この記事では、ストレスによる脳の萎縮や損傷について解説します。
ストレスで脳は萎縮する?
ストレスを受けると、体内ではそれに対抗するために、副腎からコルチゾールというホルモンを分泌します。本来、コルチゾールは脳に吸収されると無害化するのですが、慢性的なストレスによってコルチゾールが過剰に分泌されて脳内にあふれると、海馬(学習や記憶に大きく関わる器官)の神経細胞が破壊され、萎縮することが明らかになっています。
ちなみに、研究では、ラットの海馬を損傷させると記憶や空間記憶に支障が出るようになったことが報告されています。また、強度のストレスを受けたPTSD(心的外傷後ストレス障害)の方に、海馬の変性や認知機能障害が認められたという報告もあります。
ちなみに、研究では、ラットの海馬を損傷させると記憶や空間記憶に支障が出るようになったことが報告されています。また、強度のストレスを受けたPTSD(心的外傷後ストレス障害)の方に、海馬の変性や認知機能障害が認められたという報告もあります。
脳の機能が影響を受けると現れる症状
近年の研究によって、ストレスは脳の大脳皮質前頭前野という部分に影響を与え、精神機能を奪う可能性があることがわかっています。前頭前野には感情を抑制する作用がありますが、強いストレスを感じると前頭前野の力が弱くなり、今までなら抑制できていた感情や衝動が爆発したり、急な不安に襲われたりするようになるのです。
前頭前野にある神経回路は日常のストレスや不安で刺激を受けやすく、もろいことがわかっています。このため、前頭前野でストレスホルモンなどの神経伝達物質の濃度が上がってしまうと、神経細胞間の活動が低減し、徐々に止まっていきます。
前頭前野にある神経回路は日常のストレスや不安で刺激を受けやすく、もろいことがわかっています。このため、前頭前野でストレスホルモンなどの神経伝達物質の濃度が上がってしまうと、神経細胞間の活動が低減し、徐々に止まっていきます。
ストレスで萎縮した脳は回復する?
原因であるストレス自体が軽減すれば徐々に神経伝達物質の分解酵素が働くので、前頭前野の神経回路は元に戻ります。ただ、慢性的なストレスを感じ続けると回復機能が失われるため、前頭前野の樹状突起(神経細胞から信号をキャッチする枝状の突起)が萎縮するようになります。その結果、さらにストレスに対して弱くなり、うつ病やPTSDの発症リスクが上がると考えられています。
脳の回復のためにできること
ストレスで萎縮した脳を回復させるためには、ストレスへの対策を行うほか、以下のようなケアを行うことが大切です。
・1日の中でゆっくり休む時間を作る
・睡眠時間を十分に確保する
・過去のつらい記憶を思い出してしまう場合はカウンセリングなどを受ける
・食事や運動などの生活習慣を整える
・趣味や熱中できることを探す
数々の研究によって、慢性的なストレスが脳の一部を萎縮させたり、脳の機能を障害する恐れがあることが判明しています。脳の萎縮は認知機能の低下やうつ病の発症リスクを上げるなど、さまざまな健康リスクの恐れがあります。日頃からこまめにストレスを発散し、脳の健康を守りましょう。
・1日の中でゆっくり休む時間を作る
・睡眠時間を十分に確保する
・過去のつらい記憶を思い出してしまう場合はカウンセリングなどを受ける
・食事や運動などの生活習慣を整える
・趣味や熱中できることを探す
数々の研究によって、慢性的なストレスが脳の一部を萎縮させたり、脳の機能を障害する恐れがあることが判明しています。脳の萎縮は認知機能の低下やうつ病の発症リスクを上げるなど、さまざまな健康リスクの恐れがあります。日頃からこまめにストレスを発散し、脳の健康を守りましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ