脳梗塞の一種「ラクナ梗塞」の特徴と予防対策

脳梗塞の一種「ラクナ梗塞」の特徴と予防対策

脳梗塞の種類には、ラクナ梗塞(脳の細い血管が詰まる脳梗塞)、アテローム血栓性脳梗塞(頸動脈や頭蓋内の太い血管が詰まる脳梗塞)、心原性脳塞栓症(心臓にできた血栓が脳の血管まで流れて詰まる脳梗塞)があります。この記事では、ラクナ梗塞の特徴と予防対策について解説します。

ラクナ梗塞の特徴

ラクナ梗塞は、太い脳動脈から枝分かれしている穿通枝(せんつうし:脳の深部に酸素や栄養を届ける直径100~300μmほどの細い血管)が詰まり、15mm未満の範囲の脳細胞が壊死する脳梗塞です。高血圧による血管壁への負担が主な原因と言われています。

ラクナ梗塞は比較的症状が軽く、意識障がいはあまり起こらないと言われていますが、運動麻痺や感覚障がい、構音障がい、言語障がい、嚥下障がい、記憶障がいなどの症状が起こる可能性があり、血管性認知症のリスク要因になることもあります。

また、ラクナ梗塞は影響する範囲が小さいため、はっきりとした自覚症状が現れない場合もあります。このように症状が現れない脳梗塞を「無症候性脳梗塞」と言いますが、無症状であっても「本格的な脳梗塞に移行しやすい状態」になる可能性もあるため注意が必要です。

ラクナ梗塞の予防対策

ラクナ梗塞を始めとする脳梗塞を予防するには、リスク要因となる高血圧・動脈硬化・糖尿病・脂質異常症・心血管疾患などの生活習慣病の予防が大切です。以下を参考に食生活や生活習慣を見直しましょう。また、すでに治療中の方は、これらの持病を悪化させないことが大切です。担当医の指示どおりに治療薬を服用し、医療機関と相談しながら、ご自身に適した食事療法と運動療法を行いましょう。

・塩分、糖質、脂質が多い食べ物を控える
・野菜を積極的に摂る
・こまめに水分を補給する
・腹八分目を心がける
・お酒は適量を心がける(アルコール度数5%のビールであれば、1日500ml缶1本)
・喫煙している方は禁煙する
・適度な運動を習慣化する
・血圧と体重を毎日測定し、数値の変化を管理する
・睡眠を十分にとり、規則正しい生活を心がける
・ストレスをこまめに発散する
※治療中の方、他の持病のある方は必ず担当医に相談し、許可をもらってから実行してください。


ラクナ梗塞ははっきりした症状が現れず、別の疾患の検査のCT画像やMRI画像をきっかけに、偶然発見される場合もあります。予防のためには、日頃から規則正しい健康的な生活を送ることを心がけ、人間ドックなどで脳の健康状態を定期的にチェックするようにしましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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