腎機能低下で起こる尿の変化と機能維持につながる生活習慣

腎機能低下で起こる尿の変化と機能維持につながる生活習慣

腎臓には血液から老廃物をろ過し原尿【尿の元になる液体】 を作る機能があり、腎機能が低下すると排尿に伴う症状・変化が現れる可能性があります。この記事では、腎機能低下で起こる尿の変化と機能維持につながる生活習慣について解説します。

腎機能低下で起こる尿の変化

腎臓機能が低下すると、以下の変化が現れる可能性があります。

●たんぱく尿
腎臓のろ過機能が低下すると、たんぱく尿【基準以上のたんぱく質が尿中に混じる状態】が排出される可能性があり、尿の色が濁る・尿の泡立ちが目立つ等の変化が現れるようになります。ただし、健康な方の尿にも微量のたんぱく質が含まれており、腎臓が正常な状態でも運動後・発熱時等にたんぱく尿が一時的に排出される場合があります。

●血尿
腎臓のろ過機能が低下すると、尿に赤血球が混じることで尿が褐色に近い色になる場合があります。なお、鮮やかな赤色の尿が排出される際には、膀胱・尿道に出血が起こっている可能性があります。血尿は腎臓がん・急性腎炎等の深刻な疾患の兆候として現れている可能性もあるため注意が必要です。

●頻尿
頻尿の主な原因は腎疾患・糖尿病・過活動膀胱等であり、慢性腎炎・糖尿病が原因の頻尿では、尿量・排尿回数が増加する傾向にあります。ただし、加齢による過活動膀胱が引き起こす頻尿は、中高年に多く見られます。頻尿の全ての原因が腎機能の低下・腎疾患であるとは限りません。

●夜間頻尿
腎臓機能が低下すると、尿を濃縮する機能に影響が及び、尿量が増加する等の変化が起こる可能性があります。健康な状態では、腎臓が尿を濃縮することで夜間の排尿回数を減少させています。そのため、腎機能低下により尿を濃縮する機能が低下すると、夜間の排尿回数が増加するようになります。

腎臓の機能維持につながる生活習慣

腎臓の機能を維持するためには、以下を見直すことをおすすめします。

●生活習慣
・有酸素運動の習慣化:水分不足は腎臓に負担をかけるため、運動中はこまめに水分を補給する
・ストレスを避ける:ストレスは疲労・血圧上昇の原因となる。睡眠不足の解消も大切
・感染症の予防対策:感染症は腎臓に負担をかける可能性がある
・喫煙を控える:喫煙による血管収縮・血圧上昇は、腎臓に負担をかける原因になる

●食生活
・たんぱく質の過剰摂取に注意する:主菜を1品にすると対策しやすくなる
・野菜類・海藻類を積極的に摂る:野菜類・海藻類には、塩分排出・血圧低下につながるカリウムが含まれている
・減塩に取り組む:酢・香辛料等を使うと、塩味が弱くても満足感を得やすくなる


すでに腎疾患の治療を受けている方・腎機能低下を指摘されている方は、運動制限・食事制限の指導が必要になる可能性があります。生活習慣・食習慣を見直す際は、必ず医療機関に相談するようにしてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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