【健康コラム】糖尿病を放置するリスクと予防法

【健康コラム】糖尿病を放置するリスクと予防法

糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンがうまく働かなくなって、血液中に糖が増えてしまう病気です。健康診断で「血糖値が高い」と言われても、自覚症状がないため放置する人が多いのですが、実は高血糖状態が続くと思わぬ病気を引き起こすことが明らかになっています。この記事では、糖尿病を放置するリスクと予防法について解説します。

糖尿病を放置するリスク

血糖値が高い状態が続くと、以下のような合併症を引き起こす恐れがあります。

●糖尿病の慢性合併症
・細血管症(糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症など)
・大血管症(心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈疾患、足壊疽など)

細血管症は細い血管が集中している場所で起こりやすい合併症、大血管症は太い血管で動脈硬化が進行したために起こる合併症です。慢性合併症は進行が遅く、かなり進行するまで自覚症状がないこともあるため、見つかったときには重症化していることもあります。

●糖尿病の急性合併症
・糖尿病ケトアシドーシス
・高血糖高浸透圧症候群

糖尿病ケトアシドーシスは、極度のインスリン不足や血糖値の急上昇などがきっかけで発症する病気です。喉の渇きや全身倦怠感、腹痛や吐き気、ひどくなると意識障害や昏睡状態などがみられます。1型糖尿病の人に多い病気ですが、2型糖尿病の人も甘いジュースを大量に飲んだ後に発症することがあります。

高血糖高浸透圧症候群も、血糖値の急上昇がきっかけで発症する病気です。2型糖尿病の人や、糖尿病以外の病気(感染症、肺炎など)がきっかけで高齢者が発症することもあります。

糖尿病を予防するために

糖尿病のなかでも、2型糖尿病は生活習慣の改善で予防できます。健康診断などで血糖値が高いことがわかったら、食事や運動の習慣を見直して血糖値を下げていきましょう。

●食事のポイント
・肥満にならないよう、腹八分目に抑える
・食べすぎないよう、ゆっくり食べる
・決まった時間に食べ、間食しない
・野菜やきのこ類、海藻類を多く、脂っこいものや甘いものは控えめに
・アルコールは適量を心がける

●運動のポイント
・毎日続けられる運動(ウォーキング、階段の上り下り、ストレッチなど)を選ぶ
・朝晩15分など、負荷が小さいところから始め、徐々に運動量を増やしていく
・血糖値が上昇する食後30分~1時間後を目安に運動する

暴飲暴食を控え、こまめに体を動かすことで糖尿病の発症を予防できます。糖尿病は新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高い基礎疾患の一つでもあります。糖尿病にならない生活習慣を心がけながら、健康な日々を過ごしましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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